こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。
鍼灸院には様々な症状の患者様が来院されますが、中でも最も多いのがやはり腰痛です。
腰痛にも様々なタイプがありますが、意外と多い腰痛の一つに上殿皮神経障害(じょうでんぴ)があります。
腰というよりも、どちらかというと骨盤やお尻の辺りに痛みや違和感を訴えることが多く、腰痛全体に占める割合で言うと10%弱に満たないと報告されていますが、慢性的に腰痛を抱えている方や、腰椎のアライメントに異常がある方には非常に多いようです。
画像検査ではわからないタイプの腰痛であり、治療に難渋する場合もありますが、適切に鑑別すればキチンと治る腰痛です。
以下の特徴に当てはまる方は上殿皮神経障害による腰痛の可能性があります。
- 反り腰がある
- 腰だけでなく骨盤の辺りが痛い
- 骨盤(腸骨陵)のあたりを押さえると痛みがある
- 長時間同じ姿勢が続くと腰が張ってくる
実際の治療例も載せていますので、骨盤周囲の痛みでお困りの方は是非最後までお読みください。
上殿皮神経障害の特徴
上殿皮神経は、背中〜腰からお尻へと走る神経です。
(胸椎12番から腰椎3番までの脊髄神経後枝から構成されます。)
上殿皮神経は上後腸骨棘の外側3〜4センチの部分で、腸骨陵を乗り越えるように走行していますので、骨盤の外側あたりを押さえた時に痛みが出ることが大きな特徴の一つです。
上殿皮神経障害では腰だけでなく骨盤周囲やお尻の辺りに痛みや違和感を感じます。
また多くの場合、骨盤周辺の痛みや違和感が出現する前に、背中〜腰にかけて腰が張るような感覚が出現するのも特徴の一つです。
これは不良姿勢や腰に負担のかかる作業を長時間行った結果、腰部の固有背筋に負担がかかり胸腰筋膜の内圧が高まった結果、腰に不快感が生じていることが予想できます。
上殿皮神経障害だけでなく、腰椎椎間関節症や椎間板症などでも骨盤周囲に痛みや違和感が出現することがありますが、骨盤部分を直接押さえて痛みが再現されるのは上殿皮神経障害のみの特徴ですので、一度自分で確認して見ても良いでしょう。
病院でレントゲンを撮ったものの異常がなかった方で、この場所を押さえてみた結果、普段の痛みや違和感が再現された場合は上殿皮神経障害の可能性が非常に高いです。
上殿皮神経障害に対する鍼治療の実例
以下の画像は、筋筋膜性腰痛と上殿皮神経障害を併発された患者さんに対する実際の鍼治療の様子です。
胸腰筋膜を構成する要素の一つである腰部の固有背筋(最長筋、腸肋筋)と上殿皮神経の絞扼部に対して直接鍼治療を行なっています。
腰部固有背筋の治療ポイント(筋肉の痛みを引き起こすトリガーポイント)は患者さんが実際に痛みを感じている部分よりも上方に存在することが多く、こちらの患者さんでも、実際に本人が痛みを感じている部分よりもかなり上の方の腰の筋肉に鍼をした時に、普段の腰痛が再現される感覚がありました。
上殿皮神経障害は胸腰筋膜の緊張が緩めば、神経の絞扼が解消され痛みも無くなりますので、適切に鍼をすれば数回で治療終了となることがほとんどですが、この腰痛を発症する患者さんの多くが日常的に腰に負担がかかる仕事に従事されている場合がほとんどですので、常日頃から腰の筋肉に疲労が溜まらないように定期的にマッサージやストレッチなどで背中〜腰をほぐすことが重要です。
また学生時代スポーツに取り組んでおり、腰椎分離症やすべり症の既往歴がある方は腰の反りが強くなっていることが多く、今回紹介した上殿皮神経障害や腰椎椎間関節症、筋筋膜性腰痛を発症しやすい傾向にあります。
上殿皮神経障害に対する鍼治療なら豊中市のほまれ鍼灸院へ
上殿皮神経障害による腰痛に対する鍼治療の通院回数の目安は5回〜10回程度で、一回の治療時間は30〜40分程度です。
1〜3回の治療で大部分の痛みが軽減する場合がほとんどです。
大阪府豊中市近辺で上殿皮神経障害でお困りの方は是非一度ほまれ鍼灸院にご相談ください。