こんにちは、大阪府豊中市ほまれ鍼灸接骨院の富本です。
今回は、足底腱膜炎に対する鍼灸治療について書きます。
難治性として知られる足底腱膜炎ですが、多くの場合鍼治療は非常に有効です。
この記事では、足底腱膜炎に対して当院で実際に行なっている鍼治療の様子について詳しく解説しています。
病院や整体院で施術を受けたものの改善しなかった足底腱膜炎でお悩みの方は是非最後までお読みください。
目次
当院での足底腱膜炎に対する実際の鍼治療
足底腱膜炎に対する鍼灸治療では、足底に存在する筋肉に鍼をするのに加えて、ふくらはぎの筋肉に対しても鍼を行います。
以下の写真は当院に定期的に来院されるマラソンランナーの足底腱膜炎に対する鍼治療の様子です。
ふくらはぎから足の裏の筋肉まで、足底腱膜炎に関連する複数の筋肉に対して鍼治療を行なっています。
写真赤丸の部分が足裏の筋肉に鍼をしている部分です。
足の内側から足裏の筋肉に対して直接鍼治療を行なっています。
基本的に足の裏は非常に敏感な部分であるので、足の裏から直接鍼をすることはありません。
足裏には湧泉と呼ばれるツボがありますが、ここに直接鍼をすると痛すぎて治療どころではなくなるので、ほとんどの場合このツボに対してはお灸や指圧によって刺激を行います。
当院でもこのツボに対して足裏から直接鍼を行うことはしておらず、足底腱膜に対しては、上記写真のように足部の側面から横方向に鍼治療を行います。
正直言って、この方法でも痛みは伴いますが、足裏の真正面から鍼をするのに比べると随分マシです。
実際、私自身も自分の足に対して何度も行っていますが、足裏真正面からの刺激は飛び上がるくらいの刺激を感じますが、側面からの刺激はそれほどでもありません。
側面から鍼を数本使用して、足裏の筋肉である母趾外転筋や短趾屈筋の緊張している部分を狙います。
足裏の最も表層に存在しているのが足底腱膜です。
その足底腱膜をベロっと剥がすと、足の裏を覆っている筋肉が現れます。
中央に存在しているのが短趾屈筋で、親指の付け根から踵付近までに存在しているのが拇趾外転筋です。
通常、足底腱膜炎で痛みを感じる部分とちょうど一致していることから、足底腱膜炎の痛みに対しては、足裏の表面から足底腱膜に対して刺激を入れるだけではなく、その深層に存在する足裏の筋肉に刺激を入れることが重要なことがわかります。
これだけでもかなり効きますが、これに加えて上記の写真の通り、ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋に対しても鍼を行なっています。
足底腱膜炎という名前から、足の裏だけに原因があると思いがちですが、足底腱膜は踵の骨を介して、アキレス腱とつながりを持つことから、足底腱膜炎の治療ではふくらはぎの筋肉の硬さやアキレス腱周囲の柔軟性を改善する必要があります。
足底腱膜炎の特徴とその他との鑑別
足底腱膜炎はランナーの方に多くみられる症状ですが、ランナーはふくらはぎの筋肉を酷使していることが多く、それが原因となって足裏に痛みが出ている場合があります。
また、その他にも扁平足の方や、クッション性が薄い靴を履いて頻繁に歩き回る仕事を行なっている方は、足の裏にかかる負担が多くなるので足底腱膜炎を発症しやすいと考えられています。
加齢も一つの原因になるので、中年以降に発症しやすい症状です。
ただし、これらはあくまでも傾向であって、上記に該当しない人であっても発症する場合もあります。
足裏の痛みといえども、全てが足底腱膜炎というわけではなく、他の症状との鑑別が必要ですが、以下のような症状がある場合は足底腱膜炎の可能性が非常に高いと考えられます。
- 起床時の一歩目がとても痛い。
- 歩き出す際に痛みを感じるが、しばらく歩くと楽。
- 足裏の踵〜土踏まずが痛い。
- 革靴やヒール、パンプスなどを普段から長時間履いている。
足裏に痛みだけでなく痺れを感じたり、足の指の付け根あたりに痛みを感じる場合は、足底腱膜炎ではない可能性もあります。
いずれにせよ、放置して様子を見ているだけで治る症状ではありませんので、専門家に診てもらう必要があります。
まとめ
足底腱膜炎は他の治療法と比べても鍼治療が非常に有効な症状の一つです。
整体や整骨院、整形外科での超音波や手技療法でなかなか改善が見られない方は是非一度鍼治療を試してみてはいかがでしょうか?
肩や腰といった体幹部分に鍼を行う場合よりも、少しズシンとした響きの感覚が出やすい場所ですが、その分効果も期待できます。
発症してからの期間や症状の程度にもよりますが、通院回数の目安は5〜10回程度です。
当院では足底腱膜炎に対しては、お灸よりも鍼での刺激をメインに行なっています。
足底腱膜炎でお悩みの方は是非一度ご相談ください。