こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院です。
肩こりを長期間放置したが故に発症する症状の一つに胸郭出口症候群があります。
このブログでは当院に来院された胸郭出口症候群の患者さんの実際の治療について簡潔にまとめています。
通院回数や頻度、期間についても詳細にまとめていますので、同じく胸郭出口症候群でお悩みの方は是非参考にしてみてください。
患者の訴え
今回の患者さんは40代の専業主婦の女性です。
胸郭出口症候群は、一般的にはデスクワーカーや腕を頻繁に挙げる人に発症しやすいと考えられていますが、肩が凝る原因は人によって様々ですので、首肩に負担のかかる職業に従事している人でなくても発症することも決して珍しくはありません。
今回の患者さんは、数日前から、なんのきっかけもなく左の肩甲骨の内側に激痛が走るようになり、左腕に少し違和感と痺れがあるのと、左手が冷えるような異常感覚が出現してきたとのことで来院されました。
痛みの部位は左側の菱形筋の辺りです。
(注↑この写真は今回の患者さんの写真ではありません。)
左腕の痺れは、腕全体ではなく、主に前腕の小指側が痺れるとのこと。
今回の患者さんは元々、慢性的な肩こりに悩まされており、肩こりの程度がキツくなると呼吸が浅くなるような感覚が出ることも珍しくないようです。
・患者の特徴まとめ
- 40代女性
- 重度の肩こり
- 左肩甲骨の内側に痛み
- 左腕(前腕の小指側)が痺れる
- 左手が冷たい。
普通、筋肉を傷めていれば、傷んでいる筋肉を圧迫すると痛みが再現されるはずですが、患者が痛いと訴える左の肩甲骨の内側を押さえても、痛みが再現されることがないので、おそらく筋肉そのものを傷めているのではなく、この部分を支配している神経に問題が生じた結果、肩甲骨の内側に痛みが出現しているであろうことが予想できます。
患者が痛みを訴える部位は菱形筋の辺りですが、この筋肉は肩甲背神経に支配されています。
肩甲背神経は腕神経叢の一部です。
腕神経叢はその走行の途中で、首の斜角筋の間にある狭いスペースを通行するのですが、肩こりや姿勢不良などで斜角筋が緊張している場合、この部分で神経が圧迫されて、結果的に首だけでなく、肩甲骨の周囲や腕に痛みを引き起こす原因となります。
斜角筋は首の前横にある小さな筋肉です。
上の画像内で赤丸で囲まれている部分が斜角筋の間を腕神経叢が通っている部位です。
胸郭出口症候群は主に、首で神経が圧迫される斜角筋症候群と、肋骨と鎖骨で神経が圧迫される肋鎖症候群、胸の筋肉によって神経が圧迫される小胸筋症候群の3つのタイプに大別できますが、このうち肩甲骨周囲に痛みを引き起こすのは斜角筋症候群のみなので、患者の訴えを聞いた時点で、斜角筋症候群であることが予想できます。
斜角筋は呼吸補助筋でもありますので、何らかの原因によって、ここに問題が発生すると呼吸が浅くなるような症状の訴えをすることも珍しくありません。
実際に今回の患者さんの場合は、斜角筋を直接圧迫するテストなどを行なった結果、症状に変化がみられたことから、斜角筋症候群と判断して鍼治療を進めていく形となりました。
初回
原因となっている斜角筋だけでなく、最も痛みが出ている肩甲骨内側にある菱形筋や肩甲挙筋、板状筋など肩こりで緊張しやすい筋肉に対して全体的に鍼治療を実施しました。
うつ伏せで実施して、治療時間は合計で30分程度で終了。
斜角筋と菱形筋に対して鍼通電療法も実施しています。
治療直後から即時効果が得られ、肩甲骨内側の痛みの程度が軽減し、呼吸がしやすい感覚があるとのコメント。
1週間以内に再度来院するように伝えて、本日は終了。
2回目
初回施術日の5日後に来院。
前回に比べて、痛みの程度は大幅に軽減。
初回来院時の痛みの程度を10と評価するなら現在は3程度。
肩甲骨内側の痛みと腕の違和感は軽減して、呼吸のしやすさもしばらく継続していたが、現在は少しずつ再燃してきており、なんとなく左首〜肩甲骨の辺りが全体的にすっきりしない感覚。
・初回→2回目
- 痛みの程度(10)→(3)
- 前腕の痺れ(++)→(+)
- 手の冷え(+)→(−)
- 呼吸のしづらさ(+)→(−)
現在は初回終了時ほどの良好な状態ではないが、1回の治療で痛みの程度は問題なく軽減しているので、引き続き同じ部位に施術を実施。
施術はうつ伏せのみで治療時間は合計で30分程度にて終了。
3回目
2回目の来院から2週間以上経過して3回目の来院。
元々は2回目来院時の翌週で予約を取っていたが、諸事情によりしばらく間隔が開いた。
2週間空いたが、治療効果は残存しており、良好な状態は続いている。
痛みの自己評価は2程度で、前回より少し軽減しており左の肩甲骨内側の痛みも消失しているが、左の腕の違和感と痺れが残っている。
手の冷えはない。
・2回目から3回目までの経過
- 痛みの程度(3)→(2)
- 前腕の痺れ(+)→(+)
- 手の冷え(−)→(−)
- 呼吸のしづらさ(−)→(−)
症状が軽くなるに従って、鍼の響きが痛く感じるようになってきたようなので、刺激量が強くなりすぎないように調整して、引き続き首〜肩〜肩甲骨〜背中の筋肉に対して鍼治療を実施。
1週間後に再度来院するように伝えて終了。
施術はうつ伏せのみで治療時間は30分弱にて終了。
4回目(通院指導終了)
5日後に来院。
左上肢の痛みが完全に消失。
左手の冷えの再発もなく、当初痛みを感じていた左肩甲骨内側あたりにも痛みなし。
・3回目から4回目にかけての経過
- 痛みの程度(2)→(0)
- 前腕の痺れ(−)→(−)
- 手の冷え(−)→(−)
- 呼吸のしづらさ(−)→(−)
経過良好と判断して、これまで同様、首〜肩〜背中の筋肉に対して全体的に鍼治療を実施。
うつ伏せのみ30分程度で終了。
前回に引き続き、当初の症状がしばらく落ち着いていて、日常生活に支障をきたすような問題も無くなったので、通院指導をしての治療は終了。
現在は3〜4週間に一度程度の間隔で肩こりが悪化しすぎない目的で定期的に来院されています。
胸郭出口症候群に対する鍼治療なら
今回の患者さんは、症状の出現に日常生活の特定の動作が深く関わっていないことから、数回の治療のみで良好は結果が得られました。
同じ胸郭出口症候群であっても、職業柄どうしても行わざるを得ない動作などに原因がある場合は改善までに時間がかかるケースもあります。
また胸郭出口症候群の中には、骨に原因のある場合などもあり、その場合は手術療法で治療を行う必要がありますが、肩こりを基盤として発症しているタイプであれば、今回の例のように数回集中して治療を行えば短期間で十分な改善が見込めます。
胸郭出口症候群は肩こりを放置した結果、発病する肩こり放置症候群の一つです。
豊中市近辺で胸郭出口症候群でお悩みの方は是非一度ほまれ鍼灸院にご相談ください。
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