脊柱管狭窄症に対する鍼灸治療

2024.03.02

脊柱管狭窄症に対する鍼治療
目次

こんにちは、大阪府豊中市のほまれ鍼灸接骨院の富本です。

今回は脊柱管狭窄症に対する鍼治療についてです。

数ある腰痛の分類の一つとして、脊柱管狭窄症は名前を聞いたことがある人が多い症状かと思います。

『手術以外では治らない』と言われることも珍しくない脊柱管狭窄症ですが、タイプによっては鍼治療で充分な改善が見込める症状です。

脊柱管狭窄症の分類から、当院で行なっている脊柱管狭窄症に対する鍼治療について詳しく説明したいと思います。

その他の腰痛に関しては、腰痛に対する鍼灸治療をご参照下さい。

脊柱管狭窄症とは?

脊柱管狭窄症とは、その名の通り、神経の通り道である脊柱管が何らかの原因によって狭まってしまい、その影響によって神経が圧迫を受けて、脚に痺れや痛みが出現する症状です。

原因は多岐にわたりますが、最も多いのが加齢による影響です。

加齢によって脊柱管狭窄症となる

加齢により骨に棘ができたり、姿勢に変化が見られることによって、脊柱管が狭まって痛みが出現します。

脊柱管は腰を反らした際に狭まることから、脊柱管狭窄症の方は、腰を反らすと脚に痺れや痛みが出現することが特徴の一つです。

人間は長時間立ちっぱなしでいることで腰が反ってくることが多いので、脊柱管狭窄症の方は立ち続けていたり、長時間歩き続けていると痛みや痺れが強くなることが知られています。

脊柱管の狭窄の程度が強ければ強いほど、連続して歩き続けることが困難となり、重度の場合は5分以上連続で歩けないといった場合も少なくありません。

自転車や手押し車などは、腰を反らさずに乗ることができるので、狭窄症が重度で歩くことに大きな制限が出ている場合などは、生活環境を改善する必要があります。

代表的な症状はお尻から脚にかけての痺れです。

原因によって両脚共に痺れる場合と片脚のみ痺れる場合とがあります。

腰痛の一種として分類される脊柱管狭窄症ですが、意外と腰自体は痛みがない場合も少なくありません。

鍼治療が有効なタイプ

『脊柱管狭窄症は手術でしか治らない』と思われている方も多いようですが、タイプによっては十分、鍼治療によって改善が期待できる症状です。

加齢によって骨に棘が形成されており、それによって脊柱管が狭くなっている場合は、骨の棘を物理的に取り除く必要があるので、この場合は手術が必要ですが、多くの場合は、腰やお尻の筋肉の硬さ足首の関節の硬さによって腰の反りが作られているので、それらを調整することによって、腰の反りを軽減させることが可能であり、手術なしでも改善が見込めます。

また、病院で脊柱管狭窄症と診断された場合であっても、痺れの原因が他の部分にある場合も少なくありません。

脚に痺れや痛みが出現する腰痛というのは、ヘルニアをはじめとして、椎間関節性腰痛や仙腸関節性腰痛など、脊柱管狭窄症以外にも様々あります。

レントゲンなどの画像で脊柱管狭窄症が写っている場合であっても、実際の症状は筋肉や関節、ヘルニアが原因となっている場合も少なくないので、痛みや痺れを引き起こしている本当の原因がどの組織なのかを見極めることが大切です。

当院で行なっている脊柱管狭窄症に対する鍼治療

以下は当院で行なっている脊柱管狭窄症に対する実際の鍼治療の様子です。

当院で行なっている脊柱管狭窄症に対する実際の鍼治療の様子

腰部の脊柱起立筋、多裂筋、大腰筋、中臀筋といった筋肉に対して鍼を行い、微弱電流機器を用いて鍼に電気を流す治療を行なっています。

腰自体の痛みに加えて、左の太ももの前や後ろに鈍痛があり、連続して4分間しか歩けない状態でしたが、数回の鍼治療で連続して10分ほど歩けるようになり症状のコントロールができています。

脊柱管狭窄症は、それ自体の痛みに加えて、腰の反りが強くなることから腰部の深層に存在する多裂筋や大腰筋、腸骨筋といった筋肉にも緊張が出やすく、それによる二次的な痛みが出現することも珍しくありません。

これらの症状に対しては、当院で行なっている大腰筋や腸骨筋に対する深鍼での治療が非常に有効です。

ほとんどの場合、上の写真の大腰筋を中心とした鍼治療で変化が見られますが、数回治療して効果が乏しい場合は、股関節の前面に存在する腸骨筋に対して鍼を行います。

以下の写真は腸骨筋に対して鍼を行なっている様子です。

腸骨筋に対する鍼治療の様子

ズシンと響く感覚が特徴ですが、施術後2〜3日で深層の筋肉の緊張が緩み、症状の改善が見られます。

また、先述したように、脊柱管の狭窄は腰だけで形成されているのではなく、股関節や足関節などといった、腰以外の部分の影響も大きく受けています。

鍼治療を行い、歩行距離が伸びたり、痛みが軽減するといった効果が得られたら、その後は、股関節や足関節などの継続的な筋トレやストレッチが必要となります。

それら定期的なセルフケアを行なっていただくことで、痺れや痛みを気にならない程度に抑えることが可能です。

脊柱管狭窄症や腰痛でお悩みの方は是非一度ご相談ください。

その他の腰痛でお悩みの方は腰痛に対する鍼灸治療をご参照下さい。

ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

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