こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。
今回はオスグッド病に対する鍼灸治療について書きます。
オスグッドは成長期に頻発する膝関節の前側の痛みです。
オスグッド病に鍼治療は非常に有効で、ずっと長い期間整骨院や整形外科に通っていたものの改善しなかったオスグッドであっても、数回の鍼治療で痛みが大幅に軽減するのも珍しくありません。
この記事では当院で行なっているオスグッド病に対する鍼治療についてまとめています。
オスグッド病による膝の痛みにお困りの方は是非最後までお読みください。
目次
オスグッド病は鍼治療で治るのか?
オスグッド病は成長痛です。
成長期に骨が伸びるスピードに対して、筋肉が伸びるスピードが追いつかず、筋肉が骨に付着する部分への負荷が集中して結果として膝関節の前側に痛みが現れます。
ここで重要なのが、オスグッドで痛みが出ているのは、膝関節そのものが悪いわけではなく、膝関節を跨いでいる筋肉の柔軟性に問題があるという点です。
関節内の変形などは鍼治療では治りませんが、筋肉の柔軟性が問題となっている痛みの場合、鍼治療は著明な効果が期待できます。
オスグッドを治療する際のポイント
オスグッド病は、太ももの前側の大腿四頭筋の緊張によって膝関節前面に痛みが出ているので、実際に痛みが出ている膝に鍼を行うのは当然ですが、それだけでなく股関節や腰に対しても鍼を行います。
オスグッド病は学校の部活動に取り組む年代に発症しやすい傷害です。
陸上やサッカーなど、よく走る種目の選手に発症しやすい傾向にあります。
片側のみ罹患する場合が多いですが、両側ともにオスグッドになっている場合も少なくありません。
オスグッド病の治療で重要な筋肉は大腿四頭筋と大腿筋膜張筋の二つです。
厳密には、この二つ以外にも股関節や腰の筋肉にも鍼を行いますが、上記二つの筋肉を鍼で適切に緩めることができればオスグッドの痛みは治療直後から軽減してきます。
大腿筋膜張筋は股関節外側の筋肉ですが、その走行の途中で腸脛靭帯に名前を変えて、脛の骨に付着します。
(↓画像青色で骨盤から膝まで走る長い筋肉が大腿筋膜張筋と腸脛靭帯。)
大腿筋膜張筋はランナー膝の治療においても重要ですが、オスグッド病や膝蓋下脂肪体炎などでも緊張が見られることが多く、この筋肉が緊張すると膝関節を外側に捻る負荷が加わる形となってしまい、オスグッド病をはじめとした様々な膝痛の原因となってしまいます。
大腿筋膜張筋の筋緊張は深部に存在することも多いので、この組織を緩める手法としては、他の手法と比較しても鍼治療が非常に効率的です。
大腿四頭筋と前脛骨筋を中心とした下腿前面の筋肉は筋膜で繋がっているので、下腿前面の筋肉を緩めることによって膝への負担を減らす効果が期待できます。
大腿四頭筋は表層に存在する筋肉ですので、マッサージやストレッチで柔軟性の改善が期待でき、セルフケアでも効果が得られやすいですが、大腿筋膜張筋や下腿前面の筋肉は深部にコリが存在している場合も多く、鍼治療が一番効果的だと考えられます。
当院で行っているオスグッドに対する鍼治療
以下は当院で行なっているオスグッド病に対する鍼治療の一例です。
下腿前面の筋肉に対して中国鍼を用いて鍼治療を行なっています。
ズシンと響く感じが出ますので、響きが苦手な方には最初は加減して行いますが、最初からこれくらいの刺激の鍼治療を行えば、数回の治療で完治が期待できます。
響く鍼の刺激に加えて、低周波鍼通電を行うことで、より効率的に筋肉の緊張を短時間でほぐすことが可能で、早期の回復が期待できます。
オスグッドは成長痛なので、成長期の間は治らないと思われがちですが、決してそんなことはありません。
若年者は治るスピードも早いので、一定期間だけ休息して集中して治療を行えば、短期間でスポーツ活動に復帰することも可能です。
最近は、昔に比べて股関節や足関節などが硬い子供が増えてきています。
股関節や足関節が硬いと、それだけ膝にかかる負担が増えてしまい、結果的にオスグッド病をはじめとしたスポーツ障害にも罹患しやすくなってしまいます。
鍼治療は非常に効果的な治療だと自負していますが、根本的な改善には、習慣的なストレッチなどが欠かせません。
オスグッドによる膝の痛みでお困りの方は、阪急豊中駅から徒歩3分の豊中市のほまれ鍼灸院にご相談ください。
整形外科勤務歴もある深鍼治療の専門家が全ての施術を担当します。
その他の膝の痛みについては以下の記事をご参照ください。