こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。
今回は寝違えに対する鍼灸治療について書きます。
朝起きたら急に首が回らなくなっていた経験はありませんか?
寝違えは鍼灸治療の効果が最も発揮される症状の一つです。
寝違えで来院した患者さんに鍼をした結果、一度の治療で痛みが大幅に軽減することも珍しくありません。
この記事では寝違えの原因から当院で行なっている寝違えに対する鍼治療についてまで、寝違えに対する鍼治療のアレコレについて詳しく解説していますので、是非最後までお読みください。
目次
寝違えの原因
寝違えの原因は様々ありますが、代表的なものは以下の4つです。
- 不良姿勢による筋肉の血行不良
- 頚椎の変形
- 高さの合わない枕
- 急激な気温の低下などの外部からの影響
慢性的な首肩こり
急激な外力によって、首が過度に伸びたり曲がったりする際に発症することもありますが、寝違えを発生するほとんどの人が慢性的な首肩のコリを抱えているのが一つの特徴です。
デスクワークや単純作業の繰り返しによって慢性的に首肩のコリを抱えている人の中には、何度も何度も寝違えを繰り返している人も少なくないようです。
変形が原因となる場合
頚椎の変形によって発症している場合もありますが、変形はあくまでも一つの要因であって、変形があるからといって必ずしも寝違えの原因となるわけではありません。
寝違えで病院に行った結果、首の骨が変形していることが原因と言われて、痛みを諦めている人も多いようですが、頚椎に変形がある場合でも痛みを改善することは十分可能です。
急激な寒さによる影響
外気温が高くなると、身体は縮こまって首肩の筋肉が慢性的に緊張している状態に陥ることから、夏の暑い時期に比べて寝違えのリスクが増えます。
特に外で働いている人や、自転車やバイクで長時間通勤する人は、慢性的に首肩の緊張が強くなる結果、寝違えを発症しやすくなります。
通勤手段を選べるのであれば、車や電車などを使用して、直接寒さにさらされる時間を減らすことによって発症するリスクを減らせます。
外での仕事に従事する人は、カイロや重ね着などをして、身体が冷えないように工夫する必要があります。
寝違えに対する鍼治療
寝違えに対する鍼治療は、寝違えが急性か慢性化によって異なります。
急性期の寝違えの場合
痛めてから時間が経っていない急性であれば、痛めている筋肉に対する鍼通電療法と寝違えの特効ツボとして知られる手や腕に存在するツボを用いた遠隔治療を行います。
寝違えで傷める筋肉として多いのが肩甲挙筋や板状筋といった首の筋肉です。
肩甲挙筋や板状筋は長時間下を向く姿勢によってコリやすい筋肉ですので、デスクワークでパソコン仕事をしている人の大半がこの部分にコリがあります。
肩こりや寝違えのツボとしてもツボの多くがこれらの筋肉の走行上に存在していることから、古来から、いかにこの部分が肩こりの治療において重要視されていたのかがわかります。
急性期の場合は、傷んでいるこれらの筋肉に鍼通電療法を行うことで早期の回復が期待できます。
以下の写真は、寝違えで来院した30代男性に対する鍼治療の様子です。
左側の肩甲挙筋を痛めているので、首肩全体に加えて、左肩甲挙筋と左の棘下筋に鍼を行なっています。
急性発症で、初めての寝違えでしたので、一回で治療終了となりました。
電気の刺激が苦手なので鍼通電療法は行なっていませんが、スムーズに改善しました。
何度も繰り返している慢性的な寝違えの場合
何度も寝違えを繰り返してる場合、寝違えてしまった筋肉だけでなく、周辺に存在している筋肉を全体的に緩める治療を行う必要があります。
寝違えを繰り返している人のほとんどが、慢性的な首や肩のこりを抱えています。
肩甲挙筋を始めとして、それ以外にも頸板状筋や胸鎖乳突筋、斜角筋といった頸〜肩の筋肉を全体的に緩める治療が必要です
以下の写真は、慢性的に寝違えを繰り返している70代女性に対する実際の鍼治療の様子です。
首〜肩、肩甲骨周辺の筋肉全体に鍼をして、痛めている右側の筋肉に鍼通電療法を実施しています。
毎年定期的に寝違えを繰り返していたようですが、一回の鍼治療で痛みが消失して、定期的に鍼治療を継続している現在は、寝違えを再発することなく日常生活を過ごされています。
寝違えた当日や、翌日に来院された場合で首が全く動かせない場合であっても、鍼通電を行えば、その日のうちから首が動かせるようになる場合がほとんどです。
ただし、一回の治療で完全に治ったわけではありませんので、首が動かせるようになったとしても、続けて数回の治療を行う必要がありますが、それでも一度の治療で痛みの程度を大幅に軽減させることも可能です。
鍼通電療法の目的や効果については鍼に電気を流す『鍼通電治療』で得られる効果とは?をご参照ください。
寝違えてすぐにマッサージやストレッチを行うのはおすすめできません。
慢性的に首肩のコリを抱えている人に多いですが、肩をゴリゴリ強めにマッサージすると気持ち良いからといって、寝違えた時も普段と同じくマッサージを受けたりするようです。
傷めている筋肉を不必要なマッサージなどで過剰に刺激すると、悪化して痛みが長期化する場合があります。
どうしても仕事が終わる時間が遅い人の中には、医療機関の時間が合わないから、夜遅くまで営業しているマッサージ店に駆け込むという人も一定数いるようですが、あまりおすすめできません。
どうしても医療機関に行けない場合は、安静にして湿布などを使用して痛みが落ち着くまで安静にしておくのが一番です。
寝違えの鍼治療の治療頻度について
鍼治療の場合、初めての寝違えであれば、通院回数の目安は1回〜3回程度です。
何度も何度も寝違えを繰り返している場合は、首〜肩、肩甲骨周囲の緊張している複数の筋肉を緩める必要がありますので、必要な通院回数は5〜10回程度必要となります。
最初の数回の治療で痛みは軽減しますが、複数回繰り返している場合は、実際に痛めた筋肉以外も過度に緊張している場合がほとんどなので、それだけ治療期間も必要となります。
寝違えは病院に行っても治らないからといって、放置している人が多い症状です。
数日間安静にしていれば、痛みが落ち着く場合がほとんどですが、適切に治療を行わないと、首肩の全体の筋肉の緊張が強まってしまい、何度も何度も寝違えを繰り返すようになってしまいます。
豊中市で寝違えの鍼治療を受けるなら
豊中市で寝違えに対する鍼治療を受けるなら、阪急豊中駅から徒歩3分のほまれ鍼灸院へご相談ください。
整形外科勤務歴、社会人野球トレーナー経験のあるスポーツ疾患に強い鍼灸師が全ての施術を担当します。
急に痛めてしまった場合は電話にて当日予約も可能です。
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