梅核気(ヒステリー球)に対する鍼治療について

2025.05.21

梅核気に対する鍼治療
目次
ほまれ鍼灸院長 富本 翔太

こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。

精神的な鬱憤が溜まった結果、発症する喉のつまり感を現代医学ではヒステリー球と呼びます。

正式には咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)という病名であり、

その名の通り、喉の辺りに違和感を感じる病気です。

東洋医学では梅核気(ばいかくき)と呼ばれています。

梅干しが喉に詰まっているかのような違和感がずっとあるのでこの名前が付けられているようです。

喉の違和感梅核気

常に喉に違和感があるので、喉自体に病気があるのではないかと心配して各医療機関を受診する人も多いようですが、異常が見つかる場合はそれほど多くありません。

甲状腺などの喉にある器官の異常ではないと一安心できるものの、原因不明の違和感に悩まされている人が非常に沢山います。

梅核気で悩まされている方の多くは鍼治療を試した経験があるようですが、イマイチ効果を実感できなかった人も多いかと思います。

そのような方に過去の鍼灸院で受けた治療について詳しく聞いてみると、大抵、手や足にちょんちょんと5分くらい針を受けただけなようで『効果があるのかないのかわからないので自然と足が遠のいた』とおっしゃいます。

梅核気は精神的な緊張と身体的な緊張、つまり首〜肩〜背中の筋肉の緊張(コリ)によって発症する症状ですので、原因の大きな一つである首〜肩コリを改善しないことには治りません。

当然ながら先述した、手や足にちょこちょこ打つ優しい鍼治療や刺さない鍼治療ではほとんど効果が出ず徒労に終わってしまう可能性が高いでしょう。

当院では梅核気に対しては、根本原因として存在している首と肩の凝りを徹底的にほぐすような深鍼治療や頸叢刺法などを行っており良好な治療成績を得られています。

首の筋肉の緊張による頸神経叢の圧迫

梅核気では人それぞれ症状が出る部位が多少異なりますが、基本的には顎の下側〜喉(舌骨)のあたりにかけての違和感を訴える方がほとんどです。

梅核気で異常を訴える場所

この部位の皮膚感覚を支配している神経は、頸横神経鎖骨上神経ですが、この頸神経叢は背骨から皮膚表層に出てくるまでに、肩甲挙筋、斜角筋、胸鎖乳突筋といった首の横の筋肉の間を通り抜けるように走っていますので、姿勢不良やストレスなどといった原因によってこれらの筋肉に緊張が出た結果として発症している場合が非常に多いです。

ほまれ鍼灸院長 富本 翔太

下の画像で赤い丸で囲まれている部位が頚神経叢が皮膚表面に現れる部位です。

周囲に沢山の筋肉があることが見てわかります。

梅核気の原因となる頚神経叢の走行の様子

実際、これらの筋肉を狙って針をすると、普段の首や喉の辺りの違和感が再現される感じが現れ、喉の辺りがスッキリする場合が多い傾向にあります。

鍼治療においては、ターゲットとなる筋肉に鍼をした際に普段の重だるい感じや痛みが再現される『響き』という感覚が重要であり、施術効果とも直結しますので、この感覚が得られるように施術を進めることが重要です。

↓斜角筋に対して鍼をしている様子。

斜角筋に対する鍼治療の実際例

この部位に鍼をすると、普段の喉の違和感が再現されたり、直後から喉がスッキリする場合が多くあります。

ほまれ鍼灸院長 富本 翔太

鍼治療における響きの意味や効果について、響く鍼を受けたことがないという人は、『深鍼治療の効果と安全性について』をお読みください。

上の写真で狙っている斜角筋は表層に存在している筋肉ですので、長い鍼を用いたりする必要はありません。

首の前側や喉の辺りは危険な部位も多いので、当然ですが確実に安全に施術できる部位にしか鍼は行いませんのでご安心ください。

顎の真ん中あたりを訴える人も多くいますが、こういった方は顎関節症や顎の食いしばり、耳鳴りといった症状を併発している場合が多く、首や背中だけでなく側頭部や顎の周辺も含めて鍼を実施します。

梅核気の根本的な原因はストレス

東洋医学的には、梅核気は精神的なストレスが続いた際に起こる肝うつ気滞という状態です。

本来であれば身体の中をスムーズに流れている『気』が何らかの原因によって、流れが妨げられてしまい滞ることによって梅核気をはじめとした様々な症状が出現します。

・肝うつ気滞によって引き起こされる不調

  • 頭痛
  • 火照り
  • 耳鳴り
  • めまい

原因不明の喉の違和感に加えて、上記の症状のいくつかを併発している方も多いのではないでしょうか?

原因は人によって様々ですが、多くの場合は仕事や人間関係といった精神的なストレスがほとんどです。

精神的なストレスは肉体、特に首から肩〜背中の筋肉の慢性的な緊張を作り出し、これによって非常に頑固な首肩こりが形成され、これ由来の頭痛や耳鳴り、めまい、火照り、精神的な鬱状態などが形成されます。

痛みと不調の悪循環

当院で行なっている鍼治療であれば、首肩の頑固な凝りであっても軽減させることが可能で、ここをしっかりと緩めることができれば、『精神的ストレス→肉体的ストレス→さらなる精神的ストレス〜』の流れを断ち切ることが可能で、場合によっては数回継続しての治療で梅核気のみならず、それらに付随する上記に挙げた各種の症状を改善することが可能です。

鍼治療によって痛みの悪循環を断ち切ることが期待できる

また、鍼治療で物理的に筋肉の緊張を緩めて身体が軽くなるのはもちろんですが、鍼をすることによって脳から幸福を感じるホルモンが分泌されることがわかっており、肉体的な緊張を緩めるだけでなく精神的な緊張を緩める効果も期待できます。

当院での梅核気に対する鍼治療について

こちらは当院で実際に行なっている首肩コリ全体的な緊張に対する鍼治療の写真です。

首と肩のこりに対する鍼治療の一例

梅核気の治療を行う場合、先ほど述べた斜角筋を中心とした頸部側面の筋肉に対して鍼をするのと同時に背中から首肩の全体的な筋肉の緊張も緩める必要があります。

特に重要な筋肉は斜角筋も含めた以下の4つです。

梅核気の鍼治療において重要な筋肉

  • 後頭下筋
  • 胸鎖乳突筋
  • 斜角筋
  • 頭半棘筋

それぞれの筋肉が引き起こす症状は似ている部分もありますが、違いもありますので、梅核気以外の症状を細かく確認し、患者一人一人に合わせた刺激量で治療を行います。

後頭下筋

梅核気に加えて、激しい目の疲れやかすみ、目が開けにくい感覚などがある場合は、後頭下筋への鍼治療が非常に重要になります。

長鍼を用いて後頭下筋に存在する天柱(てんちゅう)や風池(ふうち)を狙って治療します。

緊張型頭痛の原因となる後頭下筋
ほまれ鍼灸院長 富本 翔太

私の経験上、梅核気でお悩みの方のほとんどが後頭神経痛か緊張型頭痛を併発しているので、この部分はほとんどの確率で鍼を実施します。

胸鎖乳突筋

梅核気に加えて耳周りの症状や顎付近の症状がある場合は、胸鎖乳突筋や耳周辺のツボを中心に治療します。

胸鎖乳突筋

側頭骨の乳様突起を後方から擦るように鍼をすることがポイントです。

ストレスによって夜間の噛み締めなどがある場合は顎の筋肉に直接鍼をする場合もあります。

治療回数の目安

発症してからの期間によって症状の改善までに必要な治療回数も異なりますが、多くの場合は5〜10回が治療回数の目安です。

発症してから数年が経過している場合や精神安定剤などを長期間服用している場合は治療効果が現れにくい場合があります。

鍼が初めての方や得意でない方は、最初は鍼に慣れてもらうために軽めの刺激量から治療する場合もありますが、そういった場合は治療効果が得られるまで3〜5回程度の回数が必要となる場合があります。

豊中市で梅核気でお困りなら

豊中市周辺で梅核気でお困りなら、是非阪急豊中駅すぐのほまれ鍼灸院にご相談ください。

豊中市のほまれ鍼灸院
待合スペース

当院は鍼専門の鍼灸院です。

お灸、マッサージ、整体などは一切行わず、鍼だけを用いて治療します。

深部の筋肉のコリまでほぐすズシンと響く深鍼治療が特徴です。

梅核気でお困りの方や、これまで優しい鍼治療に何度か通ったがそちらで治らなかった方は是非一度ご相談ください。

深鍼治療について詳しくは鍼を深く刺す深鍼治療の効果と安全性についてをご参照ください。

慢性的な頭痛でお困りの方は以下の記事をご参照ください。

緊張型頭痛に対する鍼治療について

実際の患者さんの通院例は以下をご参照ください。

緊張型頭痛に対する鍼治療の実際例『30代男性会社員』

ほまれ鍼灸院長 富本 翔太

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