東京の鍼灸院に勉強しに行った話…前編

2025.06.09

東京つばめ鍼灸
目次

ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。

東京都は四谷にある、知る人ぞ知る鍼灸院に1日見学で訪れされていただき、色々と勉強になったことが多かったので、自分自身の備忘録を兼ねて、2日間の日程を簡単にまとめてみることにしました。

当院の患者さんの中には関東地方が実家であったり、出張で東京に頻繁に出かけるという人がちらほらいるので、出先で鍼灸院を探したいという人にとっては悪くない内容だと思います。

目的は東京つばめ鍼灸

東京に行くのはかなり久しぶり。

前に東京に行ったのは埼玉県にある北京堂鍼灸院の本院に見学に行ったのか、ドイツ人の柔術仲間が東京で試合に出るという話だったので、セコンドと応援のために駆けつけたのかのどちらかだったが、如何せん記憶が曖昧なので明確には思い出せない。

何はともあれ数年ぶりである。

大阪に住んでいると、日常生活において不便を感じることがほとんどないので、滅多に東京に行く機会などない。

特に筆者のように地元で小さな鍼灸院を営んでいるような人間だと出張とかそういった類のものとは全く無縁の人生を送っているので、よっぽどのことがないと交通費を使って東京に行こうとは思わない。

今回は往路は夜行バスで、復路は新幹線にて移動することにした。

5月31日(土)

夜行バスを選んだ理由はもちろん交通費の節約である。

とはいえ、夜行バスにも色々と席にクオリティがあるので、その辺りをかなり慎重に検討してバスを選んだ。

過去、無知だったあまり、4列シートで乗車時間が9時間近くあるバスに乗り地獄を見たので、今回は3列の独立シートでWi-Fi付き、かつ乗車時間が7時間半と短めのバスを選んだ。

4列シートの時ははっきりとは覚えていないが確か3000円くらいで東京まで行けた記憶がある。

確かに安さは圧倒的ではあるが、パーソナルスペースに知らない人がいる状態で寝るというのは、どこででもすぐに眠れる特技を持つ筆者でも無理だったので、今回は7200円を支払ってバスのクオリティを上げることにした。

3000円と比較すると倍以上の金額となるが、新幹線の半額と考えれば非常に安く感じる。

5月31日は土曜日で筆者の鍼灸院はありがたいことに予約がいっぱいだったので、18時の最後の予約が終わってから一旦帰宅して梅田の高速バスターミナルに移動した。

梅田にはバスターミナルが複数あり、どれも駅から非常に近いが、今回は少し駅から離れた位置にあるバスターミナルだった。

バスは新幹線と同じで出発時間の10分くらい前に到着すれば良いので非常に楽だ。

これが飛行機だと1時間くらい前には空港に到着しなければいけないので、かなりめんどくさい。

バスのクオリティーは十分満足行くものだった。

カーテンも付いており、プライバシーも最低限確保されているし、席間のスペースも十分確保されていて、筆者にとっては十分すぎる内容だった。

眠りに繊細な人であれば、夜行バスなんて選択肢に入らないと思う場合も少なくないだろうが、筆者の場合は海外に滞在していた際などはもっと劣悪な環境で過ごしたりしたこともあるので、むしろ非常に快適だと思ったくらいであった。

車内で使用できるフリーWi-Fiを使ってネットサーフィンをしているうちに眠気に襲われ、気が付いたら東京は八重洲のバスターミナルに到着していた。

東京八重洲

6月1日(日)早朝

夜行バスで東京に行った際、個人的に一番困るのが到着時間が早朝すぎる件である。

大体どのバスを選んでも東京駅八重洲か新宿のバスタ新宿に6時台に到着するので、9時くらいから予定がある場合2時間以上やることがない。

たまにしか東京に来ないので、せっかくだから観光でもしようかなという考えもあるが、如何せん早朝過ぎて観光地に行くのにも難しい時間帯なので、かなりの時間を持て余すことになる。

この日は10時から鍼灸院にお邪魔する予定だったので、7時前に東京駅に到着した筆者は案の定時間を持て余していたので、とりあえず目的もなく皇居の周辺をブラブラと散歩をして時間を潰した。

目的もなく皇居をブラブラ

皇居は一周が約5キロで信号もなく道も整備されていることからランナーにとって人気スポットとなっているようで、歩いている間に無数のランナーに追い抜かされた。

ランニングステーションといった皇居を走るランナーのために作られた店舗などもあって、なんとなく大阪城公園に似ているなと思っている間に、どれくらい歩いたのだろうか。

これから長い1日が始まるというのに、早朝の段階で足に疲労を溜めるわけにはいかないとは思っていたものの、調べてみると皇居のあたりから四谷までは歩いていける距離であったのに加えて、電車で向かっても到着時間が早すぎて逆に時間を持て余すことになるので歩いて四谷まで向かうことにした。

目的地の東京つばめ鍼灸院は四谷三丁目駅から歩いて大体5分程度と非常にアクセスの良い場所に位置していた。

四谷三丁目駅が最寄り

大通りからは少し入ったところにあり、目立つ看板などは設置されていないので、ほとんどがネットや紹介で来院されている患者さんであることが予想できる。

東京つばめ鍼灸

筆者がこの院の存在を知ったのは数年前に北京堂鍼灸院に訪れた際に、その院の鍼灸師に四谷にすごい鍼灸院があると聞いたことがきっかけだった。

なんでも鍼を打つスピードが恐ろしく速いのに加えて精度も高く、他で良くならなかった患者であってもかなりの高確率で良くしている鍼灸院だそうで。

しかもその院の鍼灸師は患者を良くしたい一心で、社会人になってから中国語をマスターして本場中国の鍼灸書籍から最新の情報を学んで治療を行なっていると。

この業界にいる人間なら、誰しも自分の元に来てくれる患者さんを少しでも良くしたいと本気で思っているが、とはいえ、社会人になってから中国語をマスターするのは並大抵の熱量ではないと感じたので、今回ちょうど自分自身の背中のコリがひどくなっていたこともあり、治療を受けさせてもらい見学までさせていただいた。

院内のことや治療の具体的な内容については勿論書けないが、見学させてもらった感想としては、前もって聞いていた噂は本当で、院長の鍼を打つスピードは今まで筆者が見てきた鍼灸師の中でも群を抜いて早かったし、精度も抜群だった。

精度については自分が治療を受けてみた際にすぐにわかった。

鍼治療においては鍼をした際に得気が出現するのが重要だが、首〜背中、腰〜股関節とどの部位に鍼をされても普段の痛みが再現されているような得気があり、かなり効いている感覚があったし、実際数日が経ってみて、背中のコリが非常に軽くなっているのに気づいた。

(鍼をした当日はだるいような筋肉痛のような感覚があり、数日経って効果が出てくる感覚。)

特に顎の違和感に変化が出ているのに特に驚いた。

というのも筆者は20代前半の頃にブラジリアン柔術という格闘技に熱中していた時期があったのだが、この際に練習でも試合でもマウスピースを使用していなかったこともあって片側の顎が顎関節症になってしまっていた。

それ以来月に1〜2回程度片側の目の奥が痛くなる偏頭痛が出現していたのだが、今回初めて顎に鍼を受けてみて、一回で全部治ったとは流石にならなかったが、明らかに著明な変化が現れているのに驚いた。

ブラジリアン柔術に取り組んでいた過去

筆者の顎関節症は開口すると非常に大きなクリック音が鳴るくらい結構重度の顎関節症であり、正直言って治ることを期待していなかったこともあって、今回鍼をされた中で最もその効果に驚きを受けた。

その他にも、院内の内装や施術のオペレーションまで何から何まで非常に勉強になることばかりだった。

午前中に施術を受けさせてもらってから見学をさせてもらい、一旦中休憩を経て、結局午後も見学させていただいた。

常に予約はいっぱいだった。

考えてみればわかることだが、東京のど真ん中で家賃相場が非常に高いであろう四谷で経営を続けている事実だけでいかに腕が良いのかが理解できる。

治療費は一回10000円だが、鍼灸師の技術と院の立地や内装を考えると決して高い料金ではないと感じた。

良くあるグループ整骨院では新卒でほとんど技術も知識もない施術者が行う施術が10000円近い料金設定の院もあるくらいだから、むしろ東京つばめ鍼灸の先生がこれまでに技術や知識の向上に費やしてきた時間や労力を考えると安いと言っても過言ではないのではないか。

勿論、患者さんの視点からすると治療費が高いか安いかは、実際に悩みが解決したかどうかによるとは思うので、気になった人は是非一度伺ってみてはどうだろうか。

とは言っても、基本的には予約がいっぱいで少し先の日程でしか予約が取れない状況になっているみたいですが。

人生初の二郎系ラーメン

朝から晩まで最後の患者さんまで見学させてもらい、営業後も色々と教えていただき結局院を出ると21時前になっていた。

流石に腹が減っていたので、新宿近くで何か適当に食べることにした。

特に食べたいものなどはなかったので、ブラブラしている間に定食屋などがあれば適当に入ろうと思って、夜の新宿歌舞伎町を歩いてみると、長蛇の列ができている黄色い看板にふと目線が惹きつけられた。

ラーメン二郎

二郎系ラーメンである。

いや、正確には二郎『系』ではなく二郎と言ったほうが良いのだろうか。

ニンニクマシマシヤサイマシマシといったような独特な方法でラーメンの好みを伝える、スタミナラーメンの店である。

普段ならニンニクが大量に入っているラーメンを口にすることは絶対にないのだが、翌日も休みであるのに加えて、人生経験としてラーメン好きの多くが絶賛している二郎を一度は口にしてみたいと思っていたこともあったので意を決して長蛇の列に並んでみることにした。

列は店の外だけでなく中にもできていた。

外で20分くらい待った後、食券を購入して店の中の列に移動した。

店の中の列はラーメンを食べている客の後ろに立って並ぶ形式だった。

いわゆる授業参観のような形で、並んでいる方も食べている方もあまり快適ではないように思ったが、二郎ではこれが一般的なスタイルらしい。

並びながら厨房を見てみると、店員は全員外国人だった。

東京に来てからコンビニの店員などはほとんどが外国人だなと感じていたが、まさかラーメン屋の店員までが外国人であるとは正直言って驚きを隠せなかった。

外国人が本当にラーメンを上手に作れるのかどうか半信半疑ではあったが、とはいえ既に食券を購入して30分以上は並んでいたので、帰るわけにも行かずそのまましばらく並び続けた。

そうこうしているうちに、厨房の方から『お並びの皆さん、食券を見して欲しいので、内容がこちらに見えるように食券を胸の前にかざしてください。』と店員さんの声が聞こえた。

びっくりするくらい流暢な日本語だった。

どうやら待っている間に麺を茹でるようで、茹でる量を計算するために待ち客の食券を確認するらしい。

言われるがままに、自分が購入した食券を店員さんに見えるように胸の前にかざした。

店の中で並んでいる筆者以外の客もみんな、胸の前に食券をかざしていた。

『いや犯罪者が刑務所に入る際の写真撮影か』と言ったツッコミがついこぼれそうになりかけたが、郷に入っては郷に従えなので、無言で食券をかざし続けていると、『麺の量少なめとか多めの人はいますか?』と店員さんが言った。

この時、筆者は『麺の量を少なめで』という一言を言うかどうか非常に迷った。

と言うのも二郎系ラーメンを食べたことは一度もなかったが、ネットの情報によると二郎系ラーメンは麺の量が非常に多いことで有名で、並の量が他の店の大盛りかそれ以上であることが普通なんだそうだ。

どちらかといえば少食気味の筆者からすれば麺の量は少なめで十分だとは思ったのだが、、、

思ったのだが、『麺の量少なめで』の一言がなぜか言えなかった。

大男たちが皆無言で麺を啜る音だけが店内に鳴り響いている中で、麺の量少なめでなんて言い出せなかった。

実際、少なめを頼んだとして誰も何も思わないと思うが、なんとなく麺の量を少なめでなんて言えるような雰囲気ではないように(勝手に)思ってしまった。

『やっぱり少なめを頼むべきだったかな。。。どのくらいの量のラーメンが出てくるのか、果たして全部食べ切れるだろうか。。』不安に思いながら、席に案内された筆者の前に出てきたのは、明らかに普通の店の3倍くらいの麺が入っている超大盛りのラーメン(並盛り)であった。

大盛りすぎるラーメン二郎の並盛り

東京の鍼灸院に勉強しに行った話(後編)『近日更新予定』に続く。

ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

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