鍼灸院開業にかかったリアルな費用と鍼灸院というビジネスを選んだ7つの理由。

鍼灸院開業というビジネスを選んだ理由
目次

院長の富本 翔太です

こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。

今回はタイトルにある通り、院長の私、富本が鍼灸院を開業した理由実際にかかった費用についてまとめてみました。

鍼灸院をやっていると、毎日患者様から様々な質問が飛んできます。

最近でこそ、メディアでも取り上げられる機会が増えてきた鍼灸治療ですが、そうは言ってもまだまだ殆どの人が受けたことのないマイナーな治療法ですから当然といえば当然です。

基本的には、

質問する人

鍼治療は何に効くのですか?

質問する人

どのくらい通院する必要がありますか?

といったような治療効果や治療方法についての質問が多いのですが、意外にも最も多かったのが、

質問する女

なぜ鍼灸院を開業しようと思ったんですか?

どうして鍼灸師になったのですか?

といった私個人の背景や考え方について質問でした。

これには少し驚いた自分がいたのですが、よくよく考えてみれば、私自身も歯医者や美容室などを選ぶ際、HPがあればスタッフ欄は必ず確認するし、なんならそのスタッフのブログがあれば、結構遡って読んだりするくらい、施術を行ってくれる人がどんな人なのか興味を持つことが当然だったことから、患者様が自分に興味を持つのも当然だろうと思い、ここに自分の考え方などについて簡単に記しておくことにしました。

趣味や特技について熱心に記入してみるのもアリかと思いますが、まずは上に記したように、私が鍼灸院を開業しようと思った理由について記したいと思います。

ついでに、鍼灸院の開業にかかった費用についてもざっくばらんに公開していますので、これから鍼灸院の開業をお考えの鍼灸師やセラピストの方にとっても参考になる点があるかと思います。

わかりやすいタイトルをつけたいという理由で、鍼灸院というビジネスを選んだ7つの理由と記しましたが、このようなタイトルをつけることによって、もしかすると、

文句を言う人

医療(類似)行為である鍼灸院をビジネス感覚でやるな!

文句を言う人2

金儲けの為に鍼灸院をやるな!痛みに困っている人からお金をむしり取るな!

といった批判のようなコメントが来るかも。。

と一瞬頭がよぎりましたが、幾つも理由があると言っても結局は一番の理由が鍼治療が好きであり、鍼治療に大いなる可能性を感じたからであることに違いはないので、そのほかについてありのまま思っていることを書いても、私のことを知ってくれている人であれば、誤解されることもないだろうと思い書くことにしました。

もし私が金儲け第一主義で鍼灸院を経営しているのであれば、治療費をもっと高く設定したり、高額な回数券を売りつけたり、逆に保険を導入して安い金額で毎日のように来院させたりしますが、残念なことに、私はこれらのことを一切行わずに、じみ〜に営業しております。

実際、来院したことがある方や、当院の患者様ならわかっていただけるとは思いますが、本気で患者様第一主義で営業を続けております。

鍼灸治療をする院長

患者さんを不幸にしてまで、お金儲けをしようなんて考えは微塵もありませんし、そんなことしても自分自身が辛くなるだけですからね。

というわけで早速本題に入っていきたいと思います。

鍼灸院というビジネスを選んだ7つの理由

学生時代からありとあらゆるアルバイトや副業にチャレンジしてきた私が、生涯の職業として鍼灸院を選んだ理由は以下の通りです。

  • 鍼治療に大いなる可能性を感じた。
  • 今後需要が伸びる可能性が高い。
  • 初期投資とランニングコストが安い。
  • 複数の患者さんを同時進行することが可能
  • ウェブ集客に必要なブログ継続性が自分には備わっている
  • 自由な時間の使い方ができる。
  • 治療技術の向上

結論から言うと、開業した1番の理由は治療技術の向上に他なりません。

一つずつ、順番に解説していきたいと思います。

鍼治療に大いなる可能性を感じた

やはり何と言っても、一番の理由は鍼治療に大いなる魅力と可能性を感じたからです。

実は私は一時期ブラジリアン柔術という格闘技にのめり込んでいる時期がありました。

ブラジリアン柔術を行う筆者

膝に爆弾を抱えてしまった今でこそ趣味レベルに落ち着きましたが、20代前半の頃はかなり入れ込んでいて、毎日のように道場に行って練習し、それだけでは飽き足らず、練習に行かない日はウエイトトレーニングに精を出す日々を送っていました。

その甲斐あってか、それなりに絞れた上で動ける体を手に入れることができたのですが、

フルタイムで働きながら毎日のように練習とトレーニングを行うわけですから、当然といえば当然ですが身体のアチコチにガタがきておりました。

昔の筆者

(自分自身の写真を鍼灸院のHPに載せるような趣味はないのですが、内容的に載せた方が良いことが明白であることから、恐縮ながら若かりし頃の自分の写真を載せさせていただきます。)

当時は、自分自身と管理栄養士の妻、それに加えてリカバリーに詳しい理学療法士の先生のアドバイスに従い、様々なサプリメントやリカバリーにも貪欲に手を出し、それなりに良い効果を感じられていたのですが、練習やトレーニングによる肉体的な疲労こそコントロールできるものの、柔術の練習を始めてから発症した腰痛にはなかなか悩まされていました。

当時ブログに記したリカバリーに関する記事です。

プロに教えてもらったリカバリー方法を実践したら、ガチで身体が軽くなった件。

余談ですが、私は学生時代から好きが高じてブラジリアン柔術に関するブログを趣味として運営しており、現在でも鍼灸院に直接関係がないような内容についてはそちらのブログに記事を投稿するようにしております。

スポーツにおけるリカバリーのことなどについての記事などが豊富になっておりますので、ご興味のある方は是非そちらもご参照ください。

上記のリンクをクリックするか、ブラウザでBJJMONSTERと検索すると一発でヒットするかと思われます。

話は戻って、腰痛も当初は練習が終わった後だけ感じていたのが、次第に練習の翌日も痛みが長引くようになり、気づいた頃には仕事中ユニフォームの下にコルセットを巻いている自分がいました。

鍼灸治療をする院長

当時は整形外科で働いていたのですが、患者さんのリハビリをしながら自分がコルセットを巻いている状態に、流石にこれはいかんと思いました。

愛用の骨盤職人だけではどうにもならなくなってきたとのことで、様々な施術を試してみた結果、自分自身の腰痛に最も効果を感じることができたのが、鍼治療だったというわけです。

とは言いつつも、鍼治療にも流派とか手技の手法が山程存在するので、その全てをお薦めする訳ではありません。

私自身も色々な鍼を自分自身の体で受けたのですが、その中でも最も著明な効果を体感できたのが、腰の深部の筋肉を直接刺激する深鍼による腰痛治療でした。

↓以下が実際に筆者が深鍼での施術を受けに行ったレポートです。

北京堂総本山で北京堂創始者の淺野周先生の鍼治療を受けてきた件。

ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

上記の記事で紹介している深鍼治療は、現在、当院で行っている手技の一つです。

身をもって効果を体感できたこともあり、北京堂の書籍やDVDで学習したのに加えて、深鍼治療に関する勉強会にも参加して習得しました。

深鍼治療についても過去にブログで詳細をまとめていますので、詳しくは鍼を深く刺す深鍼治療の効果と安全性についてをご参照ください。

今後需要が伸びる可能性が高い

まだまだこれからではありますが、近年、加速度的に鍼治療の認知度が高まっている感があります。

NHKで鍼治療に関する特集が組まれたのは記憶に新しいところです。

番組の内容はうつ病患者に対する鍼治療の効果についてですが、世間一般に対する鍼治療の認知度の向上に寄与してくれたのは間違いありません。

また、ブルーバックス社から出版された東洋医学はなぜ効くのか?という書籍は一般書であるにもかかわらず、出版後すぐに増刷を繰り返し、多くの人の手に取られています。

今後、ますます増える後期高齢者の医療費コストを削減するためにも、薬に頼った医療ではなく、人間本来備わっている自然治癒力を促す医療行為にこそ焦点が当たってくるはずです。

現在でも既にその傾向がありますが、今後ますますその流れは加速してくるであろうことが予想できます。

また、諸外国においても薬と違って、副作用や依存症の恐れがない鍼治療は注目を浴びており、各国で様々な研究論文が発表されています。

若年層の骨や神経に異常のない首肩こりや眼精疲労や頭痛、腰痛といった症状であれば数回鍼治療を行えばすぐに治ります。

その効果を実感する人が増えれば、今後ますます需要が伸びることは間違いないと思い、私自身も鍼灸院を自分で開業しようと思うに至りました。

以上が二つ目の理由です。

初期投資とランニングコストが安い

初期投資とランニングコストが安い点も鍼灸院を初めてみようと思った理由の一つです。

初期投資とランニングコストが安い

一部の例外を除くと鍼灸院や整骨院、整体院は他の店舗型ビジネスに比べて初期投資が少ないビジネスです。

アメリカやドイツから最新の医療機器を輸入するような、治療機器にこだわりのある治療院の場合は開業時に必要なコストが数千万で、毎月のランニングコストも数十万といったケースもありますが、工夫すれば初期コスト100万円以下、毎月のランニングコスト10万円以下で運転することが可能です。

メルカリやジモティーを駆使すれば時間と手間はかかるものの初期投資をさらに抑えて開業することも可能です。

ネットで『鍼灸院 開業』とか『整骨院 開業』と調べると、開業するのには少なくとも一千万円が必要だみたいに結論づけているサイトが多いですが、はっきり言ってそんなの全く持ってデタラメです。

『開業には多額の資金が必要だ』というイメージを刷り込んで、開業者を減らそうとしたり、開業に関する資金繰りに相談するといった名目で開業者からお金を取ろうとしている人が書いた誤情報といっても過大表現ではないと思います。

工夫すればいくらでも費用を抑えることは可能です。

ただし、宣伝広告や集客にどれだけ力を入れるか、つまり広告費に関しては、その人の力量や考え方次第な部分があるので、そこだけはピンキリでしょう。

自分でブログやSNSを定期的に更新し、ポスティングにも行ける人なら大きな出費は必要ありませんが、ブログも書かず動画もやらず、なんとなく開業したら勝手に患者さんがくると思っているような能天気な人であれば、ポータルサイトなどのカモにされ毎月何万円ものお金を無駄に払うことになるでしょう。

毎年沢山の施術所ができる一方で、毎年多くの施術所が廃業していますが、個人的には上記のようなカモになっている人が多いんだろうなと思います。

実際に筆者の知り合いでもそう言う人が多数います。。

話がずれてしまったので、本題に戻りたいと思いますが、鍼灸院の開業は他の店舗型ビジネスの類と比べても多額の資金を要しないことから、自分にもできると考え、行動に移したのが3つ目の理由といったところでしょうか。

ちなみに、筆者が鍼灸院を開業した際の初期費用は全て合わせて約70万円でした。

この料金には物件の初期費用も含まれています。

工夫次第でいくらでも費用を抑えることが可能であるかの証拠になるかと思います。

現在までに少しずつ設備投資を行なってはいますが、それらを加味しても100万円には達しません。

複数の患者さんを同時進行で治療可能

鍼灸院であれば、整骨院や整体院と違って複数の患者の治療を同時進行で進めることが可能です。

整骨院であれば、電気などの物理療法機器を駆使することによって、数人の患者を同時進行で回すことも可能ですが、最近流行りのストレッチ店や整体院のように、施術中、一人の患者につきっきりで時間を使わなければいけない施術は効率が非常に悪くなってしまいます。

院長の富本 翔太です

ドクターストレッチをはじめとするストレッチ店、多いですよね。

今ではショッピングモールなど街のいたるところで見かけます。

ストレッチ店のほとんどが無資格者が施術を行っていることから、有資格者を雇うよりも人件費が安く済み、かつ施術はストレッチのみなので、高価な治療機器を導入する必要もありません。

ドクターストレッチが跳ねてからというもの利益率が良いビジネスということもあり、多くの模倣店が乱立しました。

1日に使える時間に上限がある以上、できるだけ限られた時間の中で多くの患者さんを治療する必要があります。

そうなってきた場合に、30分や1時間に一人しか治療できないストレッチや整体のような施術だと、時間対単価は非常に悪くなってきてしまいます。

べらぼうに高い施術料金を設定したりしない限り、施術所の売上の多寡は基本的には施術した患者さんの人数によって決まるので、同じ時間働くのであれば、できるだけ多くの患者さんを診るのが効率的です。

その点、鍼治療であれば、置鍼や電気鍼のテクニックを使用することで、複数の患者さんの施術を同時に進めることが可能で、治療効果自体が高いことはもちろんのこと、時間単価も効率良く上げることが可能です。

常につきっきりで施術を行う必要がない施術の効率の良さも鍼灸院として開業するに思い立った理由の一つです。

ウェブ集客に必要なブログ継続性が自分には備わっている

SNS大全盛時代の現代においては動画マーケティングが大きな力を握っており、多くの人が動画を見て物を買ったり、サービスを契約したりします。

ウェブマーケティング

鍼灸整骨院業界においても、その流れが来ているのは間違いありませんが、そうは言っても、動画全盛期の現在においても、多くの人が治療院を検索する際はYouTubeではなく、Googleや yahooで検索します。

つまり動画ではなく、ウェブ上のHPやブログを判断材料として重要視します。

ここで自分の院などを上位表示させるにはSEOやMEOに関する正しい知識を身につけて、ブログを書き続ける必要があるのですが、多くの人は、ブログを書く文章力や、ブログを定期的に更新する継続力がなく、めんどくさいからと言ってブログやHPを外注したり、検索結果に上位表示させるためにリスティング広告に多額のお金を払っています。

リスティング広告とは検索連動型広告のことで、患者さんが『〇〇町 鍼灸院』と検索した際に、自院が検索結果の上位に表示されるように広告をかけることを言います。

以下の画像は2024年9月の時点で、『新宿 鍼灸院』と検索した結果です。

リスティング広告について

赤丸で囲まれている部分にスポンサーと記載されています。

グーグルに対して広告料を支払うことで、検索結果に合わせて自院を上位表示させることが可能となります。

リスティング広告はある程度の効果が見込みやすい広告の一種ですが、オフライン広告とは違い多額の予算が必要となるので、よっぽどでない限りリスティング広告に頼っているようでは経営難を迎えてしまうでしょう。

また、ITリテラシーが高い方は検索結果反映広告を嫌う場合も少なくありません。

鍼灸院のような属人性が高いビジネスモデルの場合は、その人の考え方を知ることが大切なので、ブログでもホームページでも自分の考えを自分で文章にすることが一番大切なのは間違いありません。

最近は『AIが文章を書いてくれるからAIに書かせておけばいい。』みたいに言う人もいますが、個人的にはそれは大間違いだと思います。

確かに、ある事柄に対しての一般的な知識について知りたいと言うことであればAIの書いた文章でも問題ありませんが、治療院であれば別です。

ここに自分の強みがあると思いました。

先述したように、筆者は鍼灸院を開業する前から、もともと趣味兼副業といった形でWordPressでブログを書いており、ジャンルや内容こそ違えど累計で300記事以上はブログを書いた経験があったので、ブログを書くのがあまり得意でない人が多い鍼灸院や整骨院といった業界では相対的に自分の経験が強みになると考えました。

とはいえ、開業時、開業したら必ず来てくれるであろう見込み患者さんゼロで、元々勤めていた職場からもかなり遠い場所を選んだこともあり、

開業してもやっていけるのかどうか?

新患さんを集客できるかどうか?

といった不安もありましたが、現在のところリスティング広告などのネット広告は使用せずに、毎月ホームページ経由で患者さんが来院されています。

(広告費に予算をかけることを否定するつもりは毛頭ありませんので誤解のないようお願いいたします。)

自由な時間の使い方ができる

人は誰しも縛られるのを嫌う生き物です。

現代社会においては、誰しもが大なり小なり、何らかのしがらみに縛られていますよね。

1番のしがらみは仕事でしょう。

月曜日から金曜日の8時から17時まで働かなければいけない。

毎朝、満員電車に乗って通勤しなければいけない。

毎日、ストレスの溜まる人間関係を継続しなければいけない。

私自身も会社員として働いていた際は上記のような悩みを抱えていたのですが、やはりどうしてもルールに縛られるのが肌に合わなかったので、自分が働きたい時に働いて、休みたい時に休むことができる働き方をしたいと強く思ったのも独立開業を決めた理由の一つです。

結果的にいうと、開業したからといって、全てのストレスから解放されるかというと、それは全くの間違いなのですが、上に書いたような誰かが決めたルールに縛られるといったストレスからは解放され、自由な時間が増えました。

まとめ…7.治療技術の向上には独立開業が一番

以上が、私が鍼灸院を開業した6つの理由です。

最後の7つ目の理由は、最初にも述べたように治療技術の向上です。

会社に勤めている立場だと、治療内容や治療時間が決められている場合が多く、いくら自分が勉強したとしても、自由に施術を行わせてもらえない場合が少なくありません。

経営者側からすると、どのスタッフが休んだり辞めても大丈夫なように、スタッフ同士の技術力に差が出ないように当然施術に関するマニュアルを作るのですが、そうなってくると、どれだけ自分自身が勉強して良い効果の出せる治療を身につけることができたとしても、その治療を患者さんに行うことができません。

本気で患者さんを良くしたいと思うのならば、自分自身が自由に施術を行うことができる場所を作らないことには話にならないと思い、開業に至りました。

多くのグループ院では、一人ひとりの患者さんの声を聞くことが難しく、流れ作業で施術を行っているのが現状です。

全員に同じ治療を同じように行っていて、果たして本当に効果があるのでしょうか?

患者さん一人ひとりの声を聞いて、真摯に治療を行う為というのが、私が独立開業した1番の理由です。

以上の7つが私が独立開業した理由です。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

鍼治療のご予約はお電話もしくはネット予約から受け付けております。

ネット予約は24時間、やり取りなしで予約をお取りいただけ大変便利です。

是非ご利用ください。

ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

この記事を書いた人