こんにちは、大阪府豊中市のほまれ鍼灸接骨院の富本です。
昨今テレビやSNSなどで取り上げられる機会が増えてきた『鍼灸』
皆さんは鍼灸と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
鍼治療って興味はあるけどなんだか痛そう。。
具体的にどんな効果があるのかわからない。。
上記のようなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?
最近でこそメディアで見かける機会が増えてきた鍼灸治療ですが、如何せんマイナーな存在であることから、イマイチその効果などについてまだまだ誤解が多いのが現状です。
そこでこの記事では、鍼灸師の筆者が鍼灸の成り立ちから、その効果や適応、誤解されやすい点などについて詳しく解説したいと思います。
鍼灸治療は、身体に害を与えることなく多くのメリットが享受できる素晴らしい治療方法です。
是非その魅力を知ってもらい、多くの人に鍼灸治療を選択肢に入れていただければ幸いです。
目次
鍼灸治療の成り立ち
鍼灸治療は今から約2000年以上前に古代中国で発祥された歴史ある医学です。
初めは、石でできた針を用いて身体に存在する経穴(ツボ)を刺激して治療を行なっていました。
鍼灸と聞くとツボが思い浮かぶ人も多いかと思います。
専門用語でツボは経穴(けいけつ)と呼ばれ、それぞれのツボが存在する流れを経絡(けいらく)と呼びます。
現在は、経穴と経絡が体系的に整理されて教育の現場でも使われていますが、元々は古代の人々が、痛みなどを抱えている人に対して、身体の様々な部分を針や灸を用いて刺激し、そこから得られる反応を見ながらツボの位置や名前、効果効能について実体験に基づきまとめられたと考えられています。
日本には6世紀頃に伝えられたとされており、その後、中国鍼灸とは違った独自の発展を遂げて現在に至ります。
鍼灸治療で効果が期待できる疾患
鍼灸治療って最近よく耳にするけど、具体的に何に効くの?
このように思われている人も多いかと思います。
鍼灸治療によって効果が期待できる疾患には、以下のようなものがあります。
運動器系
- 関節炎
- リウマチ
- 頸肩腕症候群
- 肩こり
- 首こり
- 五十肩
- 腱鞘炎
- 腰痛
- ギックリ腰
- 坐骨神経痛
- 各種スポーツ疾患
神経系
- 神経痛
- 神経麻痺
- 痙攣
- 脳卒中後遺症
- 自律神経失調症
- 頭痛
- めまい
- 不眠
- 神経症
- ノイローゼ
- ヒステリー
呼吸器系
- 気管支炎
- 喘息
- 風邪
循環器系
- 高血圧
- 低血圧
- 動脈硬化
- 動悸
- 息切れ
消化器系
- 胃腸関連(便秘、下痢、胃下垂、胃炎)
- 胆嚢炎
- 肝機能障害
- 口内炎
代謝内分泌系
- 糖尿病
- 痛風
- 貧血
生殖器・泌尿器系
- 膀胱炎
- 尿道炎
- 性機能障害
- 腎炎
- 前立腺肥大
婦人科系
- 更年期障害
- 生理痛
- 月経不順
- 冷え性
- のぼせ
- つわり
耳鼻咽喉科系
- 中耳炎
- 耳鳴り
- 難聴
- メニエル病
- 蓄膿
眼科系
- 眼精疲労
- 疲れ目
- かすみ目
小児科系
- 小児喘息
- アレルギー性湿疹
- 夜尿症
非常に多くの疾患に対しての効果が期待できるのが鍼灸治療の魅力です。
WHO(世界保健機構)などの機関も鍼灸治療に関する資料を公開しています。
最近では、うつ病や統合失調症といった精神疾患系に関する研究が進められています。
特に効果が見られやすいのが、肩こりや腰痛といった運動器系の疾患です。
急性のぎっくり腰であれば、一回や数回の鍼灸治療で改善することも珍しくなく、慢性的な腰痛や坐骨神経痛で病院での電気治療や薬による治療で効果が見られなかった症状であっても改善が期待できます。
鍼灸治療の効果
様々な症状に対しての効果が期待できる鍼灸治療ですが、改めて考えてみると、身体に鍼を刺すことで痛みが楽になるってとても不思議な現象ですよね。
鍼灸治療はミクロのレベルで細胞に傷をつけることで、身体の自然治癒力を高めることによって、痛みや痺れといった症状の改善を行う治療法です。
この場合は、鍼治療によって傷ついた細胞が回復することによって身体が治ってくるので、治療効果は数日(2~3日)かけてゆっくりと現れます。
細胞が修復されることによって身体が治るので、治療効果自体も治療を受けた人の健康状態の影響を受けます。
加えて、鍼を行うだけでなく、鍼に低周波や微弱電流を流すことによって、痛みの伝達回路をコントロールすることが可能で、痛みの軽減なども行うことが可能です。
鍼に電気を流す治療では、治療効果の即効性が期待できます。
鍼治療が終わった後すぐに痛みの軽減や可動域の改善が見られます。
患者さんの痛みの種類や状態によって行うべき治療は変わるため、適時状態を見極めて治療計画を立てる必要があります。
鍼灸治療が身体にどういった回路で効果を及ぼすのか?については鍼灸治療の効果と効果の現れ方についてをご参照ください。
鍼灸治療のメリット、デメリット
そんな様々な症状に対して効果が期待できる鍼灸治療ですが、一方で良い面(メリット)もあれば、やはり少なからず悪い面(デメリット)もあります。
鍼灸治療だけに限らず、世の中に存在する施術行為には、どのような場合であってもメリットとデメリットが存在します。
メリットで言えば、副作用が少ない点、効果の即効性が期待できる点などが代表的な例です。
デメリットで言えば、医療事故の可能性などが代表的な例です。
詳しくは、鍼治療のメリットとデメリットについてをご参照ください。
鍼灸師になるには
鍼灸治療は医師と鍼灸師だけが行える施術行為です。
鍼灸師になるには、養成校を卒業して国家資格を取得する必要があります。
養成校には専門学校と大学の2種類が存在しており、どちらを卒業しても国家試験の受験資格が得られます。
また、一般的には『鍼灸師』と一括りにされる場合がほとんどですが、実は『鍼師』と『灸師』でそれぞれ別れており、鍼灸治療を行うには二つの国家資格を取得する必要があります。
どちらも難関資格というほどではありませんが、それなりに勉強しておかないと資格を取得することができません。
詳しくは鍼灸師になるには?をご参照ください。
鍼灸師はやめておいた方がいい職業?
正直言って、鍼灸師になること自体はそこまで難しくありません。
養成校卒業後、国家試験に合格する必要こそありますが、合格率は80%以上である場合も多く、普通に学校に通ってキチンと講義を受講していれば誰でもなれる職業です。
鍼灸師として食べていくために本当に重要なのは、むしろ資格を取ってからの勉強です。
資格はあくまでも、『法的に鍼をしても良い』ということが認められただけであって、資格を取ったからと言って、それだけで鍼灸院に来院する患者さんの症状を治せるかというと全くの別問題です。
どの鍼を使って、どこに、どのくらい、何回くらい鍼をしたら症状が良くなるのかは、日々の臨床の中でトライアンドエラーを繰り返して見つけていくしかありません。
日々継続的に学習を続けることができる人であれば苦では無いかもしれませんが、人によっては免許を取得してから学習を続けることができなかったりすることもあるようです。
また、鍼灸師として免許を取得してからしばらくの間は、鍼灸院や鍼灸整骨院で勤めながら技術を磨くことになります。
雇われの鍼灸師の平均的な収入は、一般的なサラリーマンと比べても低いことから、鍼灸師は、日々の勉強が大変なのに給料が安いコスパの悪い職業として考えられているようです。
鍼灸師の開業について
鍼灸師は独立開業が認められた国家資格です。
現在は鍼灸師の働き方や就職先には非常に多くの選択肢がありますが、やはり多くの鍼灸師がいずれは自分の城を持ちたいと思っているのが実情です。
鍼灸院を開業するには、治療技術、マーケティング能力、経営能力などなど身につけるべき様々な能力と、乗り越えるべき様々な壁が存在します。
筆者は現在、大阪府豊中市で鍼灸院を経営していますが、開業してその地で長年経営を続けるのは想像以上に大変で並大抵の努力ではできません。
筆者の実体験に基づいた鍼灸院の開業については以下の記事をご参照ください。
鍼灸院開業にかかった費用について
鍼灸師と英語
先ほど述べたように、現在は鍼灸師と言っても鍼灸院で働く以外にも様々な選択肢があります。
鍼灸院や鍼灸整骨院で勤務する鍼灸師もいれば、整形外科や内科クリニックで勤務する鍼灸師や、デイサービスなどの高齢者施設で活躍する鍼灸師もいます。
一般的には上記のような働き方をイメージする場合がほとんどですが、最近注目度が高まってきている鍼灸師の就職先に海外勤務があります。
海外勤務といっても、海外で企業や事業主に直接雇用してもらって働く場合もあれば、豪華客船に鍼灸師として乗船して豪華客船の中のスパで働く方法もあります。
諸外国における鍼灸師の平均年収は国内のそれと比べると断然高く、開放的なイメージを持ちやすい海外のイメージも合わさって多くの鍼灸師が興味を抱いている海外勤務ですが、必ずといっていいほど付き纏ってくるのが英語です。
海外で働くなら、どの国であっても英会話能力が必須です。
どのくらいの英会話能力があれば外国人と問題なくコミュニケーションが取れるのか?
どうすれば英語が話せるようになるのか?
筆者は鍼灸師でありつつも、独学で英会話を勉強して英語しか話せない外国人の友達が複数人います。
資格試験などはあまり受けたことがないですが、代表的なもので言えばTOEICで875点を取得したことがあります。(2023年11月)
鍼灸師として働きながら英会話を習得するにはどうやって勉強すればいいかは、鍼灸師に英語は必要なのか?最短で英会話能力を身につける方法を解説しますをご参照ください。
まとめ
日本においては、まだまだマイナーな存在である鍼灸治療ですが、諸外国では鍼灸が保険適応となっている国も多く、代替医療として注目を集めています。
元々は東洋医学的な考えによる治療のイメージが先行していた鍼灸治療ですが、最近では西洋医学的な研究も進んでおり、『鍼治療が身体にどのような影響を及ぼすのか?』や『どのような症状に対して鍼治療が有効なのか?』といった研究も日進月歩で進んでいます。
日本においては、スポーツ界を中心に少しずつではありますが存在感が増してきた感じもあり、プロ野球のトレーナーやJリーグのトレーナーの求人の募集要項に鍼灸師という条件が記載されていることも珍しくありません。
幅広い適応範囲や、大きな副作用がない点など、鍼灸治療には様々なメリットがあります。
症状によっては、鍼灸治療が他の治療法と比べても、最も高い効果を発揮することも決して珍しくありません。
この記事を読んだ痛みや痺れなどに悩まされている多くの方が、鍼灸治療を一つの選択肢に入れてくだされば幸いです。
当院は大阪府豊中市の阪急豊中駅からすぐの場所で営業している鍼灸院です。
肩こりや腰痛、ぎっくり腰や坐骨神経痛といった運動器疾患に特化して日々鍼灸治療を行なっています。
鍼灸治療を始めてみようかどうか検討されている方は是非ご相談ください。