坐骨神経痛に対する鍼灸治療 

2024.03.06

坐骨神経痛に対する鍼治療について
目次
ほまれ鍼灸院長 富本 翔太

こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。

今回は坐骨神経痛に対する鍼治療ついて書きます。

坐骨神経痛も原因によって数種類に分類されており、そのタイプによって鍼治療の効果の現れ方は異なりますが、深部に存在している筋肉の硬さによって発症しているタイプであれば、当院でおこなっている深鍼での治療が非常に効果的です。

この記事では、坐骨神経痛に対する鍼治療について細かくまとめていますので、是非最後までお読みください。

坐骨神経痛以外の腰痛に関しては、腰痛に対する鍼灸治療をご参照ください。

坐骨神経痛とは?

坐骨神経は、始まりは腰から終わりは足の先まで続く人体において最大最長の末梢神経です。

坐骨神経の解剖

(画像はプロメテウスより引用。)

この神経が、腰椎の変形や腰やお尻に存在する筋肉の緊張など様々な原因によって圧迫や絞扼などを受けて腰からお尻〜足にかけて痛みや痺れ、感覚異常などを引き起こす症状を坐骨神経痛と言います。

坐骨神経痛と聞くと、一般の人は全ての坐骨神経痛が同じ原因によって発症していると思われがちですが、実は一人一人原因が異なる場合がほとんどです。

坐骨神経痛に対する鍼治療をスムーズに進めるためには、原因や疼痛部位から坐骨神経痛のタイプを見極めることが重要です。

坐骨神経痛の代表的な原因

坐骨神経痛の代表的な原因は以下のとおりです。

  • ①変形性腰椎症
  • ②椎間板ヘルニア
  • ③椎間関節症
  • ④脊柱管狭窄症
  • ⑤梨状筋症候群

坐骨神経痛は若年者から高齢者まで幅広く発症する症状ではありますが、腰椎の変形を基盤として発症するタイプが多いことから、基本的には中高年以降に発症しやすい症状です。

加齢によって、腰椎を構成する椎骨や椎間板などに変性が生じ、骨に棘ができることによって、神経を直接圧迫したり、神経の通り道が狭くなってしまうことによって神経に刺激が加わり発症します。

⑤はお尻に存在する梨状筋が過剰に緊張することによって発症するので、長時間座りっぱなしの仕事に従事していたり、股関節が過剰な内旋姿勢になっていたりすることによって梨状筋が常時緊張を強いられることによって発症します。

①〜④は腰椎の変形を基盤として症状が出現しているので、治療もある程度の期間が必要となりますが、変形があるからといって治らないということはありません。

⑤の梨状筋症候群は梨状筋のスパズム(筋肉の過剰な緊張…攣縮れんしゅく)を取り除くことによって、症状が解消されますので、鍼治療で比較的短期間に症状の回復が見込めるタイプとなります。

また①〜⑤まで発症原因はそれぞれ違いますが、痛みや痺れが生じている場所が同じであれば、基本的に治療ポイントは同じです。

痛みと痺れの場所による坐骨神経痛のタイプ分類

坐骨神経痛は痛みと痺れの場所において、主に以下の4タイプに分類することが可能です。

  • 後部側
  • 前部側
  • 外側側
  • 混合側

後部側

臀部からハムストリング〜下腿後面に痛みや痺れが生じます。

主に5番目の腰神経が障害を受けることによって発症します。

前部側

大腿部の前面や脛のあたりに痛みや痺れが出現します。

主に4番目の腰神経が障害を受けることによって発症します。

外側側

下腿部の外側や外くるぶし〜小指のあたりに痛みや痺れが出現します。

主に腰椎の5番目と仙骨の間で神経が障害を受けることによって発症するタイプで、足の小指や足の裏の小指側に痛みや痺れを訴えることが多く、坐骨神経痛の中でも非常に多いタイプです。

坐骨神経痛の治療経過を予想するのに重要なのは、実は痛みや痺れの重症度合いではなく、痛みや痺れの出現部位です。

上記の分類でいくと、後部型や前部型は比較的早期に治療成績が挙げられやすいと考えられていますが、外側型や、複数の方を混合しているタイプだと、その他と比較すると治療に難渋したり、長期の治療期間を必要とする場合も少なくありません。

坐骨神経痛に対する鍼治療で重要なツボ2つ

坐骨神経痛に対する鍼治療で重要なのが、腰部の深層に存在する大腰筋と臀部の深層に存在する梨状筋の緊張を緩和することです。

坐骨神経痛には様々な原因があると説明しましたが、治療においては、どのタイプの坐骨神経痛においても共通しています。

痛みと痺れが出現しているタイプごとに細かい治療ポイントは多少異なりますが、どのタイプにおいても以下の二つの治療点に深鍼治療を施すことが非常に重要です。

  • 大腸兪
  • 臀圧

大腸兪

大腸兪は腰椎の4番目の棘突起の外側約3センチの部分に存在するツボです。

大腸兪

このツボの深部には大腰筋が存在しており、坐骨神経痛においては、この筋肉が各種の原因によって過剰に緊張している場合がほとんどであり、この部位に鍼刺激を行い筋緊張を緩和することによって痛みや痺れの軽減が期待できます。

大腰筋は痩せている女性で体表面から6センチ先に存在するという報告もあることから、この筋肉に刺激を届かせるためには基本的に深く鍼を刺す必要があります。

体型によって9〜12センチ程度の鍼を用いて皮膚表面から真っ直ぐ鍼を進めて刺激します。

臀圧

臀圧は仙骨と大腿骨を繋ぐ中間点に存在するツボであり、ちょうど坐骨神経痛の側を走る梨状筋上に存在する治療点です。

臀圧

この筋肉も、大臀筋などの臀筋群の深層に存在しているので、長鍼を用いて皮膚表面から5〜6センチ刺入して刺激します。

ほまれ鍼灸院長 富本 翔太

大腸兪、臀圧ともに深部に存在する筋肉ですので、皮膚表面に浅く鍼を打つだけではほとんど効果を期待することができません。

日本における坐骨神経痛に対する鍼治療の第一人者でもある木下晴都氏の著書『最新鍼灸治療学』においても深鍼群と浅刺群では同じ治療点に鍼をしても、得られる効果に大きな違いがあったと報告されています。

鍼を深く刺す深鍼治療の効果と安全性について

当院での坐骨神経痛の治療

当院では坐骨神経痛に対して基本的には先述した2つのポイントを中心に深鍼治療を行うのと同時に、経過を見ながら鍼通電療法を実施しています。

基本的には15分弱の置き鍼を実施します。

また、鍼を刺してすぐに抜くよりも置き鍼をした方が治療成績が良いとされていますが、明治国際医療大学の研究によると、置き鍼に加えて、鍼に軽い電気を流す鍼通電療法を実施するとより治療効果が期待できる点が明らかになっているので、当院では鍼通電療法を行うのに支障がない場合は基本的に置き鍼+鍼通電を実施しています。

根性坐骨神経痛に対する神経根鍼通電療法の開発とその有効性

鍼通電療法の目的や期待できる効果については以下の記事をご参照ください。

鍼に電気を流す鍼通電治療で得られる効果とは?

青壮年で大腰筋や梨状筋の筋緊張を元に出現している坐骨神経痛であれば比較的短期間での回復が期待でき、治療期間は1〜2ヶ月で5〜10回程度の治療回数が必要です。

腰椎の変形を基盤として発症する中高年以降の坐骨神経痛の場合は、発症してからの期間にもよりますが、基本的には中長期での治療計画が必要です。

(3ヶ月〜6ヶ月程度で治療回数は10〜20回程度は必要となります。)

豊中市で坐骨神経痛に対する鍼治療なら

豊中市で坐骨神経痛に対する鍼治療ならほまれ鍼灸院にご相談ください。

豊中市のほまれ鍼灸院

当院は鍼専門の鍼灸院で、慢性痛やスポーツ領域の鍼治療を特に専門としています。

ほまれ鍼灸院では使い捨て鍼を使用しているだけでなく、施術に使用するそのほかの器具も全て使い捨て、もしくはオートクレーブにて滅菌したものだけを使用していることから、坐骨神経痛の改善に不可欠な深鍼治療を安心安全に受けることが可能です。

ほまれ鍼灸院の衛生管理について

病院でもう治らないと言われた、整体に行っても変化がない、鍼治療を受けてみたことがあるけど、あまり効果を感じなかった方でもお力になることが可能です。

ぜひ一度ご相談ください。

梨状筋症候群に対して鍼を行った実際の経過について以下の記事にまとめていますので、同じ症状でお悩みの方はご参考にしてください。

梨状筋症候群に対する鍼治療について

ほまれ鍼灸院長 富本 翔太

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