
こんにちは、大阪府豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。
首と肩の筋肉のコリが強くなることによって目の奥や目の周りに疲労感や痛みが現れる症状に、後頭神経三叉神経症候群や後頭下筋の慢性的な緊張による眼精疲労があります。
多くの場合、『ただの目の使い過ぎによる眼精疲労であり目を休ませておけば治る』と軽視されがちですが、後頭神経三叉神経症候群を放置していると、前頭部や頭頂部、歯の周囲など様々な部位に痛みが広がっていく可能性があるので注意が必要です。
首のコリによって出現する目の疲れと痛みの主な原因2種類
首や肩の筋肉の緊張によって発症する眼精疲労には主に以下の二つがあります。
- 後頭神経三叉神経症候群
- 後頭下筋の緊張
後頭神経三叉神経症候群による目の症状
後頭部にピリピリとした感覚があったり、後頭部から頭頂部、おでこや目の周りに痛みが出ている場合は、後頭神経三叉神経症候群の可能性があります。
後頭神経三叉神経症候群の特徴
- 後頭部に違和感がある
- 後頭部から頭頂部にかけてピリピリとした痺れがある
- 目が疲れる
- 目の奥が痛い
- こめかみが痛い
- おでこのあたりまで痛い
頚椎の2番目の神経の枝である大後頭神経は、その走行の途中で複数の筋肉の間を走行しますが、姿勢不良などによってこれらの筋肉に緊張が見られる場合は、後頭神経に圧迫や絞扼の力が働き、後頭神経痛が発症します。
加えて、後頭神経の興奮が頭頂部で支配領域を共有している三叉神経の第一枝である眼神経に波及すると、前頭部や目の奥、こめかみのあたりの痛みが出現します。
下の画像で赤丸で囲まれている部分が後頭神経と三叉神経が隣り合っている場所です。


後頭神経と三叉神経は頭頂部のあたりで支配している領域が重なるので、首肩のコリがひどくなると目の奥やこめかみ、おでこのあたりにまで痛みが出る場合も少なくありません。
後頭下筋性の眼精疲労
目の動きに関係する後頭下筋の慢性的な緊張によって出現する眼精疲労も非常に多いです。
筋肉には、その筋肉の伸び具合を感知するための筋紡錘と呼ばれるセンサーが備わっているのですが、後頭下筋は人体でも最も筋紡錘の密度が高い部位として知られています。

頭の位置や目の方向などを感知して調整する役割を持つ後頭下筋は、現代の国民総スマホ時代において非常に酷使されている部位であり、慢性的に疲労が溜まった結果、後頭部や眼球周辺の痛みや違和感を引き起こします。
緊張型頭痛や片頭痛をはじめとした多くの症状の原因となる重要なポイントです。
青い丸で囲まれている場所に存在するスペースが後頭下三角で、その下に存在しているのが下頭斜筋です。


後頭神経は下頭斜筋をはじめとする後頭下筋群で構成される後頭下三角を通っているので、何らかの原因によって後頭下筋が緊張している場合、この部位で後頭神経が圧迫を受けて後頭神経痛や後頭神経三叉神経症候群が発症する場合も少なくありません。
当院での眼精疲労に対する鍼治療の実際
後頭神経三叉神経症候群、後頭下筋性の眼精疲労、両者ともに鍼治療では後頸部や後頭部を中心とした首肩の筋肉の緊張を緩めることによって速やかに改善することが可能です。
どちらの原因であっても主に大後頭神経が走行している頭半棘筋や後頭下筋への刺鍼を中心に施術しますが、これらの症状をお持ちの方は頭痛や耳鳴り、耳閉感、歯や顎の痛みといった顔面部の他の部分の症状も抱えていることが少なくありませんので、症状に合わせて側頭部や顎、首の横の筋肉にも鍼をします。
以下は緊張型頭痛と眼精疲労などを併発している患者さんに対する実際の施術の様子です。

頭半棘筋と後頭下筋を中心に鍼をしています。
こちらも後頭神経三叉神経症候群による眼精疲労と目の奥や周囲の痛みに対する施術の実際の様子です。
頭半棘筋と後頭下筋に加えて、頸部側面の筋肉にも鍼をしています。

これらの症状に悩まされている人の多くは後頭部にコリや違和感を抱えているので、自分で後頭部をマッサージしている人も多いようですが、あまり強い刺激で後頭部やその周囲をマッサージすると逆に症状が悪化する場合も少なくありませんので、セルフケアを行う場合は優しい刺激で愛護的に行う必要があります。
眼精疲労に対する鍼治療なら豊中市のほまれ鍼灸院へ
後頭神経三叉神経症候群でも、後頭下筋の過度の筋緊張によるタイプの眼精疲労であっても、当院で行なっているような鍼をすると数回の施術で症状が大幅に軽減する場合がほとんどです。
通院回数の目安は5回程度ですが、発症してから現在までの期間が長かったり、顔面部や首肩の他の症状も併発している場合は6〜10回程度と少し通院回数が増える傾向にあります。
後頭三叉神経症候群を発症している方のほとんどが年単位で首肩コリを抱えている場合が多いので、罹患年数が長いほど治療にかかる期間も伸びる傾向にあります。
しかしマッサージや整体といった手技での施術に比べると明らかに異なる治療効果が期待できる場合がほとんどです。
しかし根本的な原因は画面の見過ぎによることがほとんどですので、原因となる動作を繰り返し行なっている場合は一旦良くなったとしても徐々に再発してしまうので、鍼治療で症状を落ち着かせるのに加えて、PC作業の環境を整えたり、スマホなどのデジタルデバイスの使用時間を制限するなどして頸部や目の筋肉を休める時間を作ることも非常に重要なセルフケアの一つです。
眼精疲労や目の奥の痛みや違和感に対する鍼治療なら、豊中市のほまれ鍼灸院へお越しください。

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眼精疲労や目の奥の違和感だけでなく緊張型頭痛や片頭痛でお困りの方は、頭痛に関するブログについてもご一読ください。
首や肩のコリを長期間放置すると、頭部や顔面部の様々な症状が出現します。