肩甲背神経絞扼による肩甲間部の痛みの鍼治療

2025.04.28

肩甲背神経の絞扼痛による肩甲間部の鍼治療
目次

院長の富本 翔太です

こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院です。

背中の肩甲骨の高さあたりに痛みや違和感が出現している場合、その痛みの原因は肩甲背神経(けんこうはいしんけい)の絞扼によるものかもしれません。

肩甲背神経の絞扼痛の特徴

肩甲背神経が絞扼されて出る背中の痛みには以下のような特徴があります。

  • 肩甲間部が痛い。
  • 肩甲間部がピリピリする。
  • 違和感がある部位を押さえてみても痛みはない。
  • 首の動きによって痛みや違和感が出現する。
  • 肩や腕を頻繁に使う職業に従事している。

肩甲背神経の絞扼痛は、行ってみれば胸郭出口症候群の一つである斜角筋症候群の一つの症状です。

十中八九、いや十中十中と言っても過言ではないくらい、肩こりを放置した結果、発症しているいわゆる肩こり放置症候群の一つです。

基本的には胸郭出口症候群の好発年齢と同じく20〜40代くらいの女性に頻発し、肩甲挙筋や菱形筋が存在する肩甲間部に痛みや違和感が出現します。

肩甲間部

肩甲間部は肩こりで最もコリを感じる部分のうちの一つです。

この辺りを指圧すると非常に気持ち良いのでマッサージする人も多いでしょう。

単なる肩こりであればマッサージでもリラクセーション的な効能で軽くなる感覚が得られるかもしれませんが、肩甲間部に鈍痛やピリピリするような痺れが出ている場合は、いくら肩甲間部そのものをほぐしても症状には全く変化が見られません。

肩甲背神経が絞扼を受けている斜角筋に鍼をしなければ治りません。

肩甲背神経が絞扼されるポイント

肩甲背神経は3〜5番目の神経から出る腕神経叢の枝の一つです。

頸部の側面の筋肉である前斜角筋と中斜角筋の間で構成される斜角筋隙を通ることから、斜角筋に過剰な緊張が出ている場合に発症する症状です。

斜角筋隙

斜角筋の緊張は姿勢やストレス、日常生活における動作など様々な理由によって発症します

常に肩がすくんでいるようなイカリ肩姿勢の場合は特に顕著です。

斜角筋はストレスとも非常に密接に関与する筋肉であり、呼吸を補助する役割を持つ筋肉でもあるので、緊張でストレスを感じ呼吸が浅くなっているような場合は、無意識のうちに肩がすくんでしまい斜角筋に慢性的な負担が加わり続けて発症することもあります。

肩甲背神経の絞扼痛に対する鍼治療

肩甲背神経の絞扼による痛みであれば、ほとんどの場合で背中の痛みと同時に重度の首こりと肩こりを抱えているので、神経が直接絞扼を受けている斜角筋以外にも肩甲骨〜頸椎周辺の筋肉に全体的に鍼を行うことになります。

肩甲背神経を絞扼している斜角筋に鍼をするのと同時に、頸部〜背部〜肩甲骨周囲の筋肉全体に鍼治療を行います。

斜角筋に鍼をした際に肩甲間部に響きや鈍痛が再現されるような感覚が出現するのが特徴です。

斜角筋に鍼をして変化が見られない場合は、同じ腕神経叢が斜角筋隙ではなく頚椎の骨の部分で絞扼を受けている頸椎神経根症由来の痛みである可能性が考えられますが、こちらの場合でも基本的な刺鍼方法は同じで、頸椎周囲の鍼の打ち方だけが少し異なる方法となります。

頸椎神経根症に対する鍼治療について

当院の場合、治療時間は30分程度で基本的にはうつ伏せで行いますが、うつ伏せが苦手もしくは首に違和感が出現する場合などは横向きで治療を行います。

若年層であれば回復も早く3〜5回程度で痛みの消失もしくは大幅な軽減が期待できます。

中高年以上で慢性歴が長い場合、ある程度の通院回数が必要となりますが、十分改善可能な疾患の一つです。

豊中市で肩甲背神経の痛みでお困りなら

豊中市で肩甲間部や背中の痛みでお困りの方は是非ほまれ鍼灸院にご相談ください。

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ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

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