シンスプリントに対する鍼治療について

ー 2026.07.03

シンスプリントに対する鍼治療について
目次
院長の富本

こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。

陸上やサッカーといった走行距離が多くなるスポーツに取り組む成長期の子供に多いシンスプリント

シンスプリントによる脛の痛み

発症してすぐのタイミングでは安静にすることも重要ですが、ただスポーツを中止して休むだけでは根本的な解決に繋がらず、スポーツに復帰してから再度痛みを繰り返す場合がほとんどです。

この記事では、シンスプリントがなぜ治りにくいのか?について、また、なぜ鍼治療が他のマッサージやストレッチなどと比較してシンスプリントからの早期の回復が期待できるのかについて、スポーツ疾患専門で臨床を行う鍼灸師が、解剖学や生理学によるメカニズムをベースにした科学的に根拠のある視点から鍼治療の効果について解説します。

  • 走ると脛の下に痛みが出現する
  • 慢性的に脛に痛みを抱えている
  • シンスプリントでリハビリやマッサージなどを受けたが改善しない

上記のようなお悩みをお持ちの方は是非最後までお読みください。

シンスプリントとは?

シンスプリントとは、正式名称を脛骨過労性骨膜炎といい、陸上やサッカーなどの走ったりジャンプをしたりを頻繁に繰り返すスポーツに取り組む若年層に発症するスポーツ疾患です。

基本的には中学生から高校生くらいまでの学生年代に発症しやすい脛の痛みですが、足関節捻挫を繰り返すことによって足部に負担がかかっているような場合は慢性化し、大人になってからも痛みを抱えている場合も少なくありません。

痛みが出現する部位は基本的には脛の内側で脛の骨の中下三分の一の部分ですが、一部では脛の骨の外側に痛みが出る場合もあります。

シンスプリントで痛みが出る部位

シンスプリントに対する一般的な治療の流れ

シンスプリントは基本的にスポーツを行う若年層のアスリートに発症するスポーツ疾患ですので、痛みが出現して期間が浅い場合は、まずは患部を安静にするために少しスポーツやトレーニングの強度を調整する必要があります。

発症してすぐは1〜2週間の安静にしつつ、痛みが出ている局所をアイシングなどで冷やすことも推奨されます。

アイシング治療

その他、後脛骨筋を中心とした下腿(すね)の骨に付着している筋肉の柔軟性を高めるためにマッサージやストレッチなどのリハビリ、低周波の電気治療などを行うのが一般的です。

またシンスプリントを発症する選手の多くが、足裏の内側のアーチが低くなっている扁平足(専門用語で回内足)を呈している場合が多いので、脛の筋肉の柔軟性をマッサージやストレッチで向上させるのと同時に、後脛骨筋や腓骨筋、足底の筋肉といった足のアーチ形成に関わる筋肉のトレーニングを実施し、足のアライメントが適切な状態に整うように調整する必要があります。

スポーツ活動の中止とストレッチ、マッサージ、電気治療などの一般的なリハビリで2〜3週間程度で痛みの程度を緩和させ、足首周辺のトレーニングを実施し、2〜3ヶ月程度の期間をかけての完治を目指すのが一般的な経過と考えられています。

シンスプリントに対して鍼治療が他の治療よりも有効な理由

シンスプリントでの脛の痛みの原因は、ふくらはぎの奥に存在する後脛骨筋による脛骨の骨膜の牽引負荷によるものです。

後脛骨筋

『脛骨の骨膜の牽引負荷』と聞くと少し難しそうに聞こえますが、簡単に言うと、後脛骨筋が硬くなることによって、この筋肉が付着している脛の骨が過剰に引っ張られることで痛みを感じています。

院長の富本

ふくらはぎの奥の筋肉が硬くなることによって、脛の痛みが出現しています。

後脛骨筋は深層に存在しているため、マッサージやストレッチではダイレクトに刺激を加えることが非常に難しい部位ですが、深層の筋肉まで刺激を届かせる深鍼治療であれば、ダイレクトかつピンポイントで刺激を入れることが可能です。

緊張している筋肉に鍼の刺激を届かせると、筋肉内の血管が拡張し即時的に血流が改善し、筋肉の柔軟性が回復します。

さらに鍼に電気を流すことによって、より効率の良い血流改善効果が期待でき、施術後すぐの治療効果も期待できます。

またシンスプリントの大きな原因の一つに、後述する足首の回内足アライメントが存在しますが、このアライメントの足の場合、股関節も内旋する場合が多く、これにより臀部の筋肉の緊張が強まり、結果的に歩行時に足首や脛にさらに負担がかかりやすくなる二次的な問題も発生するのですが、鍼治療では、この際に問題となる小臀筋や中臀筋、腸骨筋といった股関節周囲の深層の筋肉にも直接刺激を加えることができ、シンスプリントの原因となる全身の問題に対して包括的な治療を行うことが可能です。

なぜシンスプリントは休むだけでは再発するのか?

シンスプリントの治療の流れとしては患部を安静に(スポーツを一旦休止)することは非常に重要です。

基本的には脛の内側に付着している後脛骨筋の使いすぎ(過負荷)が原因ですので、単純に足を使う機会を少なくすれば一時的に発生していた炎症も落ち着き痛みも緩和します。

しかし、安静にして痛みが落ち着いたからといって、そのままスポーツに復帰すると、ほとんどの場合で遅かれ早かれ同じ痛みが同じ部位に出現するか、最悪の場合は痛みをかばってプレーするのが癖になって別の部位に痛みが出現する場合もあります。

再発する理由は明確で、シンスプリントの原因が『使いすぎ』だけではなく『使い方の間違い=足のアライメント異常』である場合がほとんどだからです。

最も多いパターンは、先ほどから度々出てきているワードの回内足(かいないそく)と呼ばれる足首の変形です。

一般的に扁平足と呼ばれる足の形ですが、踵の骨が内側に回っているので専門的には回内足と言います。

回内足の状態は、足のアーチの構成に重要な舟状骨と呼ばれる骨が通常よりも低い位置に存在しています。

足のアーチは足にかかる衝撃を吸収する役割を担っていますが、この形の足だとアーチが潰れていて、衝撃吸収の役割を果たすことができない状態となっているため、舟状骨に付着している後脛骨筋が過剰に収縮して舟状骨を持ち上げアーチを形成しようと働くのですが、これが後脛骨筋にとって過負荷となり、後脛骨筋が付着している脛の骨に過剰な牽引力をかける原因となり脛の痛みを引き起こします。

回内足は放置していて治るものではないので、この足のアライメントを改善しない限りは、足に体重がかかる動作を行う際に常時脛の筋肉に過剰な負荷をかける原因となり、痛みの慢性化に繋がります。

ちなみに回内足は足首の捻挫の経験が原因となっている場合が非常に多いです。

足首の捻挫は9割以上が足を内側に捻る内反捻挫ですが、この捻挫を繰り返すと、足首が捻挫を繰り返すことを防ぐために、常時足首を外返し方向に捻るようなポジションを取るようになり回内足を形成します。

院長の富本

つまりシンスプリントの患者さんで、足首のアライメントにも異常が見られる場合は、患部である脛の治療だけでなく足のアーチに関わる足首をはじめとした下肢全体を包括的に治療する必要があります。

シンスプリントに対するほまれ鍼灸院での施術の流れ

シンスプリントによる脛の痛みから早期にスポーツに復帰するためには、痛みを引き起こしている原因となっている後脛骨筋を中心とした脛やふくらはぎの奥の筋肉の柔軟性を高めるアプローチと、これら筋肉に負担がかかっている原因の足関節の回内アライメントの修正を目的としたアプローチが必要です。

当院では、まずは早期のスポーツ復帰を目的とした鍼治療や鍼通電療法と超音波治療を組み合わせたコンビネーション治療を行います。

院長の富本

以下の写真はランナーのシンスプリントに対する実際に当院で行なっている鍼治療の様子です。

鍼に電気を流す低周波鍼通電療法

後脛骨筋や長母趾屈筋や短腓骨筋といったふくらはぎの深層に存在する筋肉に最小限の刺激でピンポイントの深鍼施術を実施します。

これらの筋肉の緊張を緩めることで脛の骨にかかる負担が減り痛みの緩和が期待できます。

また同時に実際に押さえて痛みがある脛の骨の直上部分などには超音波を用いて施術を行います。

超音波治療も同時に行います

超音波治療器はスポーツ整形やスポーツチームのメディカルルームには必ずといっていいほど常備されている物理療法機器です。

振動と熱による刺激で患部にミクロのレベルでのマッサージ刺激を加えることができ、様々なスポーツ疾患の回復期間を早めてくれる効果があります。

これらの患部の治療を行うと同時に、骨盤や股関節周囲の筋肉の柔軟性の回復を目的とした鍼治療を実施するのに加えて、一人ひとりの足首の状態に合わせたトレーニングやストレッチの指導まで行い、競技に完全に復帰した後でも痛みが再発しないことを最終目標に治療計画を立案して施術を実施しています。

シンスプリントによる脛の痛みは競技の特性や強度により痛みの程度や状態が大きく異なるので、一概には言えませんが、多くの場合4〜8回(期間的には1〜2ヶ月)程度の通院が必要となる場合がほとんどです。

最初の3〜4回の施術で痛みを大幅に緩和させる目的で週に2〜1回程度の治療を実施し、痛みの程度を緩和させることができた状態で、セルフケアを中心とした週に1回の感覚に切り替えて治療を行います。

院長の富本

鍼治療は一見すると痛みを伴うような治療に思われがちですが、使用する鍼は髪の毛よりも細い鍼がほとんどで、使用する鍼の本数も少ないので、施術中は何も感じない場合がほとんどです。

鍼の刺激が苦手な方であっても受けていただくことが可能な施術です。

✳︎足関節の捻挫を何度も繰り返している慢性足関節不安定症をお持ちの場合は長期の治療が必要になる場合が多いです。

詳しくは慢性足関節不安定症に対する鍼治療についてをご参照ください。

豊中市でシンスプリントに対する鍼治療なら

豊中市でスポーツによる繰り返す脛の痛みシンスプリントでお困りなら、プロのアスリートも来院する豊中駅すぐのほまれ鍼灸院にご相談ください。

ほまれ鍼灸院内装イメージ
ほまれ鍼灸院院長富本の施術の様子

ほまれ鍼灸院では、スポーツ障害に明るい国家資格を持つ鍼灸師が西洋医学的な視点での鍼治療を清潔かつ安全な環境で提供します。

マッサージやストレッチ、電気治療では良くならなかった方はもちろん、他で鍼治療を受けてみたものの、イマイチ効果を実感することができなかった方も是非一度お気軽にご相談下さい。

そのほかの関連する疾患などに対する内容は以下の記事をご参照ください。

オスグッド病に対する鍼灸治療

ランナー膝に対する鍼灸治療

院長の富本

この記事を書いた人

X
YouTube