腸骨筋に対する鍼治療について

2025.07.08

目次
ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。

腸骨筋への鍼治療をご存知ですか?

このページをご覧になっているということは、『腸骨筋 鍼』『腸骨筋 深鍼』といった感じで非常にニッチなワードでネット上を検索されていたのではないかと思います。

腸骨筋の鍼治療は深鍼治療で有名な北京堂鍼灸院の淺野先生が開発した手法です。

慢性腰痛、繰り返すぎっくり腰、坐骨神経痛、股関節痛、大腿神経痛などの腰〜股関節周辺の症状に対して、深鍼治療では基本的に大腰筋への鍼治療を行う場合がほとんどですが、一部大腰筋への鍼だけでは症状が取りきれない場合があり、そういった場合にもう一つの骨盤の深層の筋肉である腸骨筋に鍼を打ちます。

腸骨筋への鍼治療ではズシンと響く感覚が特に出やすく、はっきり言って痛いですが、その分上記の症状に対して効果が期待できる手法です。

この記事では、腸骨筋への鍼治療が効果的な症状から、腸骨筋への鍼の実際の様子について解説しますので、慢性的な腰痛などでお困りの方は是非最後までお読みください。

大腰筋に対する鍼治療については大腰筋に対する鍼治療について深鍼治療の専門家が解説してみたをお読みください。

腸骨筋とは?

腸骨筋は骨盤の骨の腸骨の内側から大腿骨の小転子へと走る骨盤の筋肉です。

腰椎と大腿骨を繋いでいる大腰筋とセットで腸腰筋と呼ばれ、こちらの呼び方の方が聞き馴染みのある方が多いのではないかと思います。

大腰筋と強調して主に股関節の屈曲の作用を持ち、脚を上げる動きに使う筋肉で、下肢が固定されている場合は体幹を前屈する動作にも働きます。

腰やお腹の筋肉と分類されることも少なくありませんが、大腿神経に支配されている脚の筋肉です。

デスクワーカーの人などは一日中、座っていて股関節が屈曲している時間が長いので、腸骨筋が非常に硬くなっている場合が多く、腸骨筋に問題が生じると、慢性的な腰痛を引き起こしたり、鼠蹊部や脚の付け根に痛みが出ます。

腸骨筋への鍼治療で効果が期待できる疾患

腸骨筋への鍼治療で効果が期待できる疾患は以下の通りです。

  • 慢性腰痛
  • ぎっくり腰
  • 坐骨神経痛
  • 股関節痛
  • 大腿神経痛
  • 外側大腿皮神経炎
  • お尻の痛み

主に腰〜股関節周辺の痛みに対して効果が期待できる手法で、基本的には大腰筋への鍼治療と同じような効果が期待できますが、腰痛では仙骨の下あたりに痛みが出るタイプに有効です。

また、腸骨筋は骨盤の内側に存在する筋肉ですが、この筋肉が問題を起こしている場合は痛みが骨盤の外側、つまりお尻の方に出現する場合もあります。

お尻が痛いという患者は実際に多くいますし、本人が痛みを感じていなくても腰痛の原因がお尻や骨盤付近の筋肉の場合も少なくありません。

お尻に痛みを感じている場合、勿論お尻にも鍼を行いますが、症状が軽減しない場合は骨盤の内側の腸骨筋が原因となってお尻に痛みを出している場合もありますので、このような場合でも腸骨筋に鍼を行います。

すると不思議なことに、骨盤の内側に鍼をしているにも関わらず、骨盤の外側にズシンと響く感覚が出現します。

深鍼治療においては響きの感覚が普段痛みを感じている場所に出現した方が効果が高いと考えられているので、このような場合だとお尻に鍼をする必要なく腸骨筋への鍼を繰り返し実施することで良くなっていく場合があります。

腸骨筋刺鍼の実際

以下の写真は実際の腸骨筋への鍼治療の様子です。

腸骨筋に対する鍼治療

腸骨筋への鍼治療では骨盤の前方から鍼を進めます。

腸骨筋は骨盤の内側にへばりつくように付着している筋肉ですので、骨盤の前方から骨に添わすような形で鍼を進めていきます。

腰の下部や仙骨あたりに痛みが出ている場合は腸骨筋の中でも上方を狙い、股関節周辺の痛みや大腿神経に沿った脚の方に強く症状が出ている場合は腸骨筋の中でも下方を狙うといった形で、同じ腸骨筋への鍼であっても微妙に操作を変えながら実施しています。

腸骨筋の中でも特に響きが出現しやすいのが、腸骨筋と大腰筋が隣合わせになっている深部の場所ですので、腸骨筋刺鍼では最低でも9センチの鍼を使用して、男性や体格の良い人の場合であれば10〜12センチくらいの鍼を使用して実施します。

↓青い丸で囲まれているあたりが腸骨筋と大腰筋が隣接している部分です。

腸骨筋への鍼を受けるなら

腸骨筋への鍼治療を行うためには、施術者の技術に加えて特別な鍼も必要となるので、普通の鍼灸院ではまず受けることができません。

関西近郊で腸骨筋への鍼治療を受けるなら、大阪府豊中市のほまれ鍼灸院にご来院ください。

豊中市のほまれ鍼灸院

阪急梅田駅からも15分以内で到着可能で、提携駐車場サービスも完備しており大阪市内からも非常にアクセスの良い場所に位置しています。

深鍼治療に関しての研修を終了し、その後も定期的に研修や勉強会に参加して研鑽している鍼灸師のみが施術を行います。

東京の鍼灸院に勉強しに行った話前編

慢性的な腰痛に悩まされている方や、何度も何度もぎっくり腰を繰り返している方は一度試してみる価値がある治療です。

腸骨筋刺鍼を関連が深い大腰筋への鍼治療や、深鍼治療について詳しく知りたい方は以下の記事をご一緒にお読みください。

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ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

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