後頭神経痛に対する鍼治療について

2025.07.25

後頭神経痛に対する鍼治療について
目次

ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。

後頭部の頭の付け根あたりに違和感があったり、後頭部から頭頂部にかけてピリピリとした痺れや痛みが出現する原因の一つに後頭神経痛があります。

後頭部や首のあたりになんとも表現しにくい鈍痛やピリピリとした痛みを感じるようなことはありませんか?

その痛みの原因は首から後頭部へと走る後頭神経が首の筋肉の過度の緊張によって圧迫された結果生じる後頭神経痛かもしれません。

マッサージやストレッチ、一般的な鍼治療、牽引療法、ブロック注射などで効果が見られない場合、当院でおこなっている深鍼治療であれば効果を期待することができます。

この記事では後頭神経痛の特徴と、深鍼治療による施術の方針や内容、実際の治療の様子について解説していますので、後頭神経痛でお悩みの方は参考にしてください。

後頭神経痛とは

後頭神経痛とは、首や後頭部の筋肉によって、首から出ている神経が圧迫されることによって発症する後頭部や側頭部、頭頂部に出現する痛みや痺れのことをいいます。

主に後頭部から頭頂部に痛みが出現する大後頭神経痛と、側頭部や耳の裏のあたりに痛みが出現する小後頭神経痛があります。

両者を併発する場合も少なくありません。

大後頭神経の場合

後頭部から頭頂部までの感覚を支配する大後頭神経が主に頭半棘筋の過剰な緊張によって、頸部後面の位置で神経が絞扼され、後頭部〜頭頂部まで痛みや痺れが出現します。

慢性的に症状が長期間続くと、頭頂部で後頭神経と連絡している三叉神経にも影響を及ぼし、おでこや目のあたりにまで違和感や痛み(鈍痛)が出現します。

後頭神経三叉神経症候群と呼ばれているこの症状は頭痛持ちの方に非常に多いです。

人によっては歯が痛くなる場合も少なくありません。

歯が痛くなって歯医者に行ったものの、歯には何の異常もなかったなんて経験ないでしょうか?

こういった場合は首の筋肉の緊張によって、後頭神経や三叉神経が影響を受けている可能性が非常に高いので、緊張している首の筋肉を緩めてあげる必要があります。

後頭神経三叉神経症候群の特徴

  • 後頭部に違和感がある
  • 後頭部から頭頂部にかけてピリピリとした痺れがある
  • 目が疲れる
  • 目の奥が痛い
  • こめかみが痛い
  • おでこのあたりまで痛い
ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

詳しくは下の記事をご参照ください。

眼精疲労や目の奥の痛みに対する鍼治療について

小後頭神経の場合

後頭神経痛において最も多いのは、先述した大後頭神経が支配する領域の痛みや痺れ感覚ですが、もう一つの後頭神経である小後頭神経が筋緊張の影響を受けている場合は、側頭部や耳の周辺などにピリピリとした痺れの感覚や痛みなどが出現する場合があります。

小後頭神経の走行について
小後頭神経の走行について
ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

上の画像で青い丸で囲まれている部分が小後頭神経です。

胸鎖乳突筋や頭板状筋の近くを走行していることから、これらの筋肉が過剰に緊張すると影響を受ける可能性があります。

この場合は大後頭神経の場合と同じく、後頭部の後頭下筋と頸部の頭半棘筋を中心に鍼をするのと同時に、側頭筋や胸鎖乳突筋などの頭や首の側面の筋肉にも鍼を行います。

後頭部のやや外側が凝りやすい理由

人間の体には筋肉が凝り固まりやすい特定の場所が存在します。

鍼灸やマッサージの世界では、便宜的に、その特定のポイントをツボと称していますが、後頭部は身体の中でも特にツボが沢山集中している場所です。

特に後頭部の外側、風池と呼ばれるツボが存在するあたりは非常に凝りやすい場所で、多くの人が『このあたりがムズムズ、モヤモヤ詰まっているような感覚がする』と表現します。

風池の場所

風池が存在する後頭部の外側の部分は表層から深層まで複数の筋肉が存在しています。

表面の部分では胸鎖乳突筋と僧帽筋が隣り合わせで存在しており、それら表面の筋肉の深層では、首の動きに関与する頭板状筋や頭半棘筋が存在しており、さらに深部には頭や目の細かい動きに関与する後頭下筋群が存在しています。

ちょうど風池の位置を解剖学的に確認してみると、頭半棘筋、頭板状筋、胸鎖乳突筋が交差する場所となっています。

風池は解剖学的に複数の筋肉が交差する場所に位置する重要なツボ

複数の筋肉が重なりあって存在している部位は、筋肉や筋膜が癒着を起こし、結果的に筋緊張が強まり、多くの症状を引き起こします。

特に頭半棘筋や胸鎖乳突筋はデスクワークを始めとする、不自然な座位姿勢によって持続的な緊張を強いられやすく、これらの筋肉に緊張が生じた結果、周囲の他の筋肉にも影響を及ぼしてしまいます。

後頭神経痛に対する鍼治療の実際

後頭神経痛に対する鍼治療で最も大切なのは、後頭神経を絞扼する頭半棘筋や後頭下筋の緊張を緩めることです。

後頭部周辺に存在している天柱、風池といったツボを中心に周囲の緊張している筋肉を緩めることで高い効果が期待できます。

後頭下筋は深部に存在する筋肉ですので、後頭部のツボを表面から軽く刺激する程度では刺激を届かせることができません。

当院では患者さんの体型に合わせて、40ミリや50ミリの鍼を使用し、後頭部の骨を擦るような形で鍼を進めて、後頭下筋の緊張をダイレクトに解消します。

以下は、当院で行っている後頭神経痛に対する実際の鍼治療の一例です。

後頭神経痛に対する鍼治療の実際
後頭神経痛に対する鍼治療

後頭下筋、頭半棘筋を中心に、首〜肩〜頭部のツボを全体的に刺激して症状の改善を行います。

画像によって鍼の本数などが異なっていますが、基本的には症状の程度によって使用する鍼の種類や本数も変わり、程度がきつい方が使用する本数も増える傾向にあります。

発症してそれほど日が経っていない場合であれば、通院終了までの期間も短いですが、多くの場合は長年の慢性的な首や肩のコリを併発しているので、5〜10回程度続けて施術することで、症状の大幅な改善が期待できます。

後頭神経痛は緊張型頭痛や片頭痛と併発している場合も非常に多いです。

緊張型頭痛と併発している患者に対する鍼治療の実際の様子について下のブログでまとめていますので、一つの参考にしていただければ幸いです。

緊張型頭痛に対する鍼治療実際例『30代男性会社員』

豊中市で後頭神経痛に対する鍼治療なら

大阪府豊中市で後頭神経痛に対する鍼治療なら豊中駅すぐのほまれ鍼灸院にご相談ください。

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阪急豊中駅から徒歩3分、千里中央や梅田から15分以内のアクセスで、提携駐車場のサービスも実施しています。

施術は深鍼治療に関する研修会を終了し、現在も定期的に勉強会や研修会に参加している鍼灸師のみが行います。

鍼は全て使い捨てで、施術に使用する鍼皿や鍼管といった用具も使い捨てか、オートクレーブによる滅菌をしたもののみ使用して衛生面に最大限気をつけています。

鍼治療を受けたことがあるものの、ほとんど効果を感じなかったという方も是非一度ご相談ください。

そのほかの首こりや肩こり、頭痛に関する症状については以下のブログをご参照ください。

肩こりを放置した人間の末路

緊張型頭痛に対する鍼治療について

片頭痛に対する鍼治療について

ほまれ鍼灸院長 富本 翔太

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