こんにちは、豊中市のほまれ鍼灸院の富本です。
今回は膝蓋下脂肪体炎(しつがいかしぼうたいえん)に対する鍼治療についてです。
一般の方からアスリートまで、膝の痛みに悩まされている人は非常に沢山います。
変形性膝関節症やランナー膝、鵞足炎など、膝の痛みは、痛みの部位や種類によって、それぞれ診断名が付けられていますが、中にはレントゲンなどの画像検査では異常がなかったにもかかわらず膝が痛いという人も多いのではないでしょうか?
病院で検査をしてもらったものの、原因がわからないと言われた。。
その痛みが膝関節の前側でお皿の周辺にある場合、膝蓋下脂肪体炎の可能性があります。
昨今、その特徴が明らかになってきた膝蓋下脂肪体炎ですが、この症状に対して鍼治療は非常に有効です。
下の画像は実際に当院で行なっている膝蓋下脂肪体炎に対する鍼治療の様子です。
膝蓋下脂肪体に直接鍼をするのに加えて、下腿の前面の筋肉には鍼通電治療を実施しています。
この記事では、膝蓋下脂肪体炎の特徴と当院で行なっている膝蓋下脂肪体炎に対する鍼治療についてまとめています。
膝の痛みでお悩みの方は是非最後までお読みください。
目次
膝蓋下脂肪体炎とは
膝蓋下脂肪体炎とは、その名の通り、お皿の骨(膝蓋骨)の下にある脂肪体が何らかの原因によって炎症を起こしている状態です。
以下の画像は膝を正面から見た図です。
赤丸で囲まれている部分が脂肪体が存在する場所です。
お皿の骨から指二本分くらい下のあたりにまで存在しています。
膝を横から見た場合は以下の通りです。
お皿の骨の裏側から脛の骨の間のスペースを埋めるように存在しています。
膝蓋下脂肪体は膝関節の前方に存在する関節のクッション材です。
骨と筋肉や腱が摩擦しやすい場所には、その部分の動きを滑らかにするために潤滑剤が存在しています。
通常、膝蓋下脂肪体は膝関節の潤滑剤として関節の円滑な運動をサポートしているのですが、スポーツによる使いすぎやその他の様々な原因によって繰り返し負担がかかることで、脂肪体そのものが過剰な負荷によって痛んでしまい炎症を起こしてしまうことがあります。
膝蓋下脂肪体炎の特徴
膝蓋下脂肪体炎の特徴は以下の通りです。
- 膝の前側が痛い
- お皿の下が痛い
- 膝を伸ばしている時だけ痛い
- 膝を頻繁に曲げ伸ばしするスポーツで多い
- 変形性膝関節症の人に多い
膝を伸ばしている時だけ痛い
膝蓋下脂肪体は先の画像で説明したように、膝の前、お皿の下側に存在しているのですが、膝を曲げた時は、伸ばしている時と比べて膝の奥の方に移動するので、膝を伸ばしている時に押さえて痛みがある場所であっても、膝を曲げている体勢であれば同じ部分を押さえても痛みが出ないことが大きな特徴の一つです。
膝蓋下脂肪体炎と同じ場所の痛みとして、膝蓋靭帯炎やオスグッド病などがありますが、これら2つの症状では膝が曲がっているか伸びているかの違いによって押さえた際の痛みの程度に変化が出ないことから、膝を伸ばしている時だけ痛みが出るという特徴は、膝蓋下脂肪体炎の非常に重要な特徴です。
膝蓋下脂肪体炎の原因
膝蓋下脂肪体炎の原因は様々です。
単純な使い過ぎによる痛みが最も多いですが、それ以外でも、足関節の捻挫を繰り返しており、足のアライメント(関節の位置関係)が乱れていることによって膝に負担がかかり発症することもあれば、反り腰で骨盤が前傾姿勢となり、その結果股関節と膝関節に負担がかかり発症する場合もあったりと、同じ膝蓋下脂肪体炎の痛みを訴えている場合であっても原因が全く異なる場合も少なくありません。
比較的、若い女性に発症しやすいと言われていますが、膝の変形に伴って発症する場合もあります。
老若男女関わらず、膝の前側が痛い時に最初に疑うべき症状が膝蓋下脂肪体炎です。
当院で行なっている膝蓋下脂肪体炎に対する鍼治療
膝蓋下脂肪体炎を患っている方の多くは、腰の大腰筋、股関節の大腿筋膜張筋、腸骨筋、大腿四頭筋といった筋肉に緊張が出ているので、当院では膝はもちろんですが、腰〜股関節までの筋肉に対して全体的に鍼を行います。
痛みの程度や発症してからの期間にもよりますが、1〜3回の治療で効果が現れ、通院回数の目安は5〜10回程度です。
股関節や膝関節の筋肉の緊張によって膝に負担がかかっている場合であれば比較的早期に痛みが取れますが、変形性膝関節症に伴って痛みが出ている場合は治療回数や期間が伸びる傾向にありますが、どちらのタイプの膝蓋下脂肪体炎であっても鍼治療は非常に有効な治療の一つです。
膝蓋下脂肪体炎による膝の痛みでお悩みの方は、プロアスリートも通う豊中市のほまれ鍼灸院にご相談ください。
整形外科勤務歴のある鍼灸師が全ての施術を行います。
その他の膝の痛みに関しては以下の記事をご参照ください。