腰方形筋のぎっくり腰に対する鍼治療

腰方形筋のぎっくり腰に対する鍼治療
目次

こんにちは、大阪府豊中市ほまれ鍼灸接骨院の富本です。

今回はぎっくり腰に対する鍼治療に関する症例報告ブログです。

20代男性のぎっくり腰に対して鍼治療を行なったところ2回の治療で完治しましたので、その詳細について記したいと思います。

鍼治療に関する不安

鍼治療って興味はあるけど、何回くらい通えば治るのか不安。。

上記のような質問をよく受けるので、一つの参考にしていただければと思います。

*この記事は症例報告ですので、ぎっくり腰に対する鍼治療の基本的な内容について知りたい方は、ぎっくり腰に対する鍼治療をご参照ください。

患者情報

  • 20代男性
  • 立ち仕事(一日8時間近く立ちっぱなし)
  • 運動習慣なし
  • スポーツ歴…剣道
  • 既往歴なし

1週間前に発症した腰痛です。

特に重いものを持ったりしたわけではないが、発症前から違和感が出現し、じわじわと痛くなってきた。

百貨店で勤務しており仕事中はずっと立ちっぱなしだそうです。

問診と検査を行ったところ以下の所見が得られたことから、右側の筋筋膜性腰痛で間違いなさそうです。

  • 片側性の痛み(右側)
  • 安静時痛なし
  • 前屈、後屈、左側屈で疼痛増大
  • 下肢の痺れ、放散痛なし
  • 棘突起や椎間関節の圧痛なし

特に捻ったり過度に伸ばしたりした覚えもないとのことですので腰や骨盤の関節を捻ってしまったわけではなく、純粋に腰の筋肉に負荷がかかりすぎているようです。

筋肉の痛みはエキセントリック収縮の際、つまり筋肉が過度に伸ばされる時に出現することが多いので、今回で言うと、前屈後屈どちらも痛いが前屈の方が痛みが強いのと、左側屈した際に右腰の痛みが増強する様子が見られることから、おそらく右側の固有背筋もしくは右腰方形筋が発している痛みの可能性が高そうです。

腰方形筋はぎっくり腰で痛めやすい代表的な筋肉の一つです。

腰方形筋

一日中立ちっぱなしとのことなので、お尻や脚から来ている痛みの可能性も念頭に置いておく必要がありそうです。

ただ、本来であれば、股関節周囲筋の硬さの確認なども行った方が良いのですが、今回は安静時痛こそないものの、少しでも腰や股関節を動かすと腰に響くとのことで、確認はこれくらいにして腰からお尻の筋肉に対して早速ですが鍼をしていくことに。

聞くと鍼は過去に数回受けたことがあるが、その際あまり効いている感じがしなかったのと、響きが苦手だったのであまり好きではない様子。

無理にすることはありませんが、急性腰痛には効果が高いと説明し納得してもらった上で行いました。

初回

以下の写真は、実際の初回の治療の際の様子です。

右側の脊柱起立筋、両方の多裂筋、中臀筋に鍼をしています。

脊柱起立筋、多裂筋、中臀筋に対する鍼治療の様子

腰方形筋に対しても鍼を行う予定でしたが、鍼の響きが少し応えたとのことで、初回は腰方形筋には刺激を入れず上記の筋肉のみの治療となりました。

20分間、鍼を刺したままの状態で時間を起き、時間が経ったので抜きました。

鍼を抜いた後の直後効果としては以下の通りです。

  • 前屈みの痛み   10→3
  • 身体を反らす痛み 10→3
  • 腰を横に倒す動き 10→3

鍼をする前と比べて、体幹を前後屈させる際の痛みが大幅に減少しています。

ただし、前後屈時の痛みこそ楽になっているものの、左に身体を倒した際の痛みはやや残存しているようです。

こちらはおそらく腰方形筋から出ている痛みなのでしょう。

今回は腰方形筋に対して鍼を刺していないので残存していて当然です。

もう少しやればさらに良くなるであろうことは想像できましたが、患者が20代で若いのと、側屈時痛以外は今回の鍼で十分効いていること、また、それに加えて患者がそもそも鍼が苦手であることなどを踏まえて1度目の治療はこれで終了とすることに。

2〜3日後に効いてきて今よりも良くなってくると思いますと伝え、3日後に予約をとってもらい終了しました。

2回目

3日後に来院されました。

『その後どうですか?』とざっくばらんに聞いてみると、あの後めちゃくちゃ効きましたと一言。

痛みの程度が10から3くらいにまで減ったのが持続しており、翌日くらいからまた楽になってきたとおっしゃいます。

腰の痛みを庇いながら日常生活を送っていたのが随分楽になったとのこと。

こちらとしてもほっと一安心しつつ、再度詳しく状態を伺います。

聞くと、全体的な痛みの程度は随分減って楽に感じるが、特定の動作時痛みはまだ残っている様子。

前屈時、後屈、そしてやはり側屈の痛みが残っています。

側屈時痛は前回と同じく、やはり対側に倒す際に出現することから、やはり腰方形筋で間違いなさそうです。

前回と同じ脊柱起立筋、多裂筋、中臀筋に加えて、腰方形筋にも鍼治療を行いました。

腰方形筋に対する鍼治療

腰方形筋に鍼をした際は、ズシンと響くような感覚が見られて、普段感じている痛みが再現されます。

前回と同じく20分間置鍼して終了。

直後効果の確認として、左側に体幹を倒した際の痛みの程度を聞いたところ、痛みは0とのこと。

明日くらいにはもっと状態が良くなってくると思いますと伝えて、また痛くなるようなことがあれば来てくださいと伝えて一旦治療終了となりました。

その後は来院されていないことから、問題なく改善したかと思います。

当院で行なっている鍼治療

今回は患者さんの年齢が若く、初めてのぎっくり腰だったので、引きずることなく早期の改善が可能でした。

ぎっくり腰も繰り返しているうちに、深部の筋肉に緊張が及ぶ場合があり、そのような場合は治療回数が増える傾向にあるので、グキッと腰を捻ってしまったり痛みや違和感がある場合は可能な限り早期に治療を開始することが大切です。

今回紹介した腰方形筋に対する鍼治療を筆頭に、当院では大腰筋や腸骨筋といった筋肉に対しても長い鍼を用いた深鍼の治療を行なっております。

上記の筋肉はぎっくり腰や慢性腰痛、坐骨神経痛といった症状で原因となっている場合が非常に多いので、当院で行なっている深鍼での治療が非常に有効です。

大阪府豊中市近辺で、なかなか治らない腰痛などでお困りの方は是非一度ご相談ください。

その他の腰痛に関しては、腰痛に対する鍼灸治療をご参照下さい。

ほまれ鍼灸接骨院院長 富本 翔太

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